静岡はいつも通過でなかなか立ち寄ることがない。しかしいざ行くとなるとけっこう距離がある。今回は佐山さんの個展が開催されるということで出かけていった。行くからにはいろいろと見てこなくてはならない。
まずいちばんは御前崎の猫塚だ。藤岡の藤枝張り子や坊之谷の土人形のその後など行き先はいろいろとある。
最初に御前崎にある猫塚へ行く。
猫塚とは住職が助けた猫に、住職を化け鼠から守ったという話しである。その猫の墓が猫塚である。
ここには退治された古鼠の塚もある。
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ナビにも猫塚は登録されている。
ナビの指示に従っていく。
見えた!路上駐車しかない。
以前来たときは
もっと畑の中だったような気がする。
年月とともに宅地化されたのか。
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見えた |
ねこ塚まで50m |
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猫塚到着。
ちょっと車は駐めづらい。
草がかなり生えている。
あまり手入れはされていないようだ。 |
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周囲に畑は残っている |
しかし住宅も多い |
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猫塚と説明板 |
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猫は小さい |
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ネコ缶とツナ缶が供えてあった |
猫塚の文字はくっきり |
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猫塚の裏面には何か文字が刻まれている。
風化してしまいよく読めない。
「十二月六日」と隣の「會」は確認できる。
説明によれば昭和7年12月6日に
有志により建立されたものだ。
「會」の文字は建立した
有志の会なのだろう。 |
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裏面は風化してよく読めない |
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さてじっくりと猫塚見学しよう。
猫塚のいわれ
かつて猫塚のあるあたりにあった遍照院(あるいは西林院)の住職が海上を船の板の上にすがって流される仔猫を見つけた。
住職はその仔猫を漁師に頼んで助けてもらい寺に連れて帰った。この仔猫も大きく育ち、住職のことばを聞き分けるほどになった。
ある春の日、旅僧がやって来て宿を求めた。それから3日後、隣の猫が寺の猫を伊勢参りを誘うが住職の身が気がかりで誘いを断った。
その夜本堂の天井裏で物音がした。調べて見ると衣をまとった大きな古鼠が倒れており、寺の猫と隣の猫が傷ついてたおれていた。
2匹の猫は身をもって住職を喰い殺そうとした旅僧に化けた古鼠から住職を守り息絶えた。
住職達は恩義に報いた2匹の猫を寺のわきに手厚く葬った。
猫塚に目印に松が植えられた。その松は鯖の尾のように二つに分かれ『鯖尾の松』と呼ばれて漁の目印にされた。
しかし明治時代の初めに台風で倒れてしまった。
その後、この伝説を後世に伝えるため昭和7年に有志により建立されたのがこの猫塚であるそうです。
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この猫塚のいわれについては、みなだいたい同じような内容になっています。昔とはいつ頃のことかもわかりません。
そのような中でネット上に興味ある情報を見つけました。「やじきた。com」の中にある『江戸時代版・猫の恩返し – 忠義な猫のお話 (1)』です。
管理人のコレクションから江戸の流行・文化・風習などの話題を取り上げたサイトです。その中にこの猫塚について紹介しています。
やじきた.comへ
「閑窓瑣談」 教訓亭定高(為永春水)著/天保12(1841)という和本の一巻第七「猫の忠義」からの紹介です。
説明板もほぼこの内容に準じて紹介しているものと思われます。
「閑窓瑣談」によれば、
この本の話自体も伝聞(教訓亭定高(為永春水)の友人の伝庵が桂山で聞いたもの)で書き記されている。
寺は和本の中の文や絵でも西林院となっている。
猫の墓と鼠の墓は寺の境内にあった。
古鼠から住職を守った寺の猫は息絶えており、隣の猫は虫の息であったが介抱のかいもなく息絶えている。
古鼠はまだ息があったが棒でたたいてとどめをさされた。
住職を救った2匹の猫は境内に墓を建て手厚く葬られた。
古鼠もこのような化け物を放ってはおけないと慈悲の心から墓を建てた。
二つの墓ともに古びてしまったが今も寺にある。
江戸時代末期の本であるが、この時点で墓は年数を経ていることがうかがえる。
しかし古鼠が後で記す鼠塚の言い伝えの元となる古鼠が枕元に現れ、塚を建てて葬って欲しいと懇願した経緯はない。
和本の紹介内容は「猫の忠義」のなので鼠に関しては省略されたのか、それとも鼠は後付けなのか。
ねずみ塚の経緯については不明である。
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猫塚の猫も
昭和7年生まれなので
年末には86歳になる。
表面は地衣類(?)に被われ
白猫になってしまっている。
かつての画像と比べると
明らかに白い部分が増えている。
左耳はかつてとれてしまい
接着剤でつくられていたことも
あったようだが
現在は失われてしまった。
細い尻尾が折れずに残っているのは
奇跡的だ。
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猫塚の説明板 |
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白猫になってしまった |
少し上を見上げたポーズ |
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猫の石材の材質は確認できなかった。
台座は花崗岩でできており
裏面に建立年などが刻まれていたが、
風化して一部の文字を除き
ほとんどわからなくなっていた。
新しい首輪がつけられていた。
バンダナや首輪など
いろいろと交換されているようだ。
ネコ缶も供えられている。 |
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新しい首輪をしてもらっている |
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猫塚も歳をとりそろそろ補修しないと
崩壊してしまう恐れがある。
ねずみ塚のように猫を新調する
必要はないが
保存するためには何らかの対策が
必要な時期だと思われる。
時に裏面の文字はわかる人がいるうちに
きちんと記録しておく必要があるだろう。
前回来たときの画像はどこに行ったかな? |
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現在は左耳がなくなってしまっている |
猫塚の向かいに寺を見つけた。行ってみよう。
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木が茂る向こうにお堂が見える。
参道のような道を歩いて行く。
しかし鳥居はない。
金比羅神社の碑が立っている。
あとで調べたら十一面観音堂とあり
寺院の表示が出ている。
どうもこの地が猫塚の話しの元となった
遍照院のあったところかもしれない。 |
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茂みの向こうにお堂が |
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鳥居はない |
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あれが十一面観音堂か |
金比羅神社の碑が |
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漁港の町だけに海難や
航海安全の碑が多い。
海に近い土地柄、
海棲動物の穴があいた砂岩が
あちこちに使われている。 |
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さすがに海に近い |
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おでん屋(居酒屋?)の入り口に |
猫くんがいた |
野良猫か、飼い猫か? |
少し離れたねずみ塚を見に行く。
猫塚に比べて、駐車場もあり捜しやすい。 |
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古鼠は最初、海岸近くにうち捨てられたが、
住職(あるいは村長・村民)の夢枕に
古鼠があらわれ、
改心して「海上の安全と大漁」を
約束すると懇願したので、
ねずみ塚も建てられた。 |
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ねずみ塚広場 |
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ねずみ塚 |
新しく乗ったねずみ像 |
昭和47年11月22日建立 |
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ねずみ塚に行く。
ここは海岸の高台にあるので
ねずみ塚広場になって駐車場もある。
碑には「昭和47年11月22日
御前崎町教育委員会」とある。
ネット上の画像を見ると、
ねずみの像は後から加えられたようだ。
新しいねずみ塚の由来碑は
地元の中学校を卒業した同期の中学生が
還暦になった際、
御前崎の活性化と幸せを
「ねずみ」に託して建立したもの。
平成20年戊子(つちのえね)年、
ねずみ年生まれがねずみ年に建てたもの。
以前ねずみの絵が描かれたトイレが
あったように記憶している。
この場所ではなかったのか。
写真を探し出さなければ。
遊歩道を散策する。 |
新しい由来碑 |
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ソテツの雄花が咲いている |
御前崎の海岸 |
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ソテツの雄花が咲いている。
雌花は昨年のみが落ちているが、
今年のものはまだ早いようだ。
どうせ枯れ落ちるものなので
雄花をひとつ資料としてもらう。
遊歩道を散策する。
風が強い。海からの風が直接吹きつける。
ツバキが咲くころにまた来たいところだ。 |
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風の通る道 |
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風を受ける |
けっこう遅くなってしまった。もう他の所に寄っている時間はない。静岡の佐山さんの個展会場に急ぐ。
2018年 7月5日(木)~7月16日(月・祝)
東名高速を使って静岡へ。会場は静岡市内にある。
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佐山泰弘作品展
~猫からのおくりもの~
in静岡 |
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会場のねこふくは
鷹匠という町名の住宅街の中にある
建物だ。
むかし鷹狩りの鷹匠が
住んでいたのだろうか。
建物内は半地下、
中2階と立体構造になっている。 |
鷹匠二丁目 |
一見普通の民家 |
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ここが2階 |
ねこふく 入り口 |
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中2階にはセンサー付きの
ねこふく神社が鎮座している。
柏手を打つとセンサーが反応して
ねこふく様が中から出てくる。
ねこふく様はもしかして尾道の・・・・・。 |
中2階にあるセンサー付き神社 |
ねこふく神社 |
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会場は2階にある。今日は会期の最終日なので作品も減っているようだ。
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2階はいつもの佐山ワールド。
これだ!これしかない。
わが家の実家の猫軍団は数がいる。
全部つくっていたら
莫大な費用がかかってしまう。
これしか方法はないだろう。
5ニャンDEパズル。
型があるというので後は彩色だけだ。
ちょうど猫の数もいい。
もう一つの候補は
3匹ないし4匹のからくり物。
全部が首を動かさなくてもいい。
こんど写真を持っていって
注文するしかない。 |
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奥の壁にあるのは時計 |
水墨画も数が少なくなった |
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追いかけっこシリーズ |
焼きもの群 |
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風鈴も残りこれだけ |
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日本画 |
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からくり猫 |
5ニャンDEパズル |
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今回の購入品はこれ。
佐山さんの作品ではなく
「ふくねこ」さんの展示販売品
東(ひがし)マユミさんの銅版画の小品
一辺3cm(額の内枠は5cm)で
小さいが存在感がある |
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コロンコロン |
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みたな |
結局今日は猫塚と個展で終わってしまった。明日は仕事もあるし早く帰るとしよう。しかしまったく気にしていなかったのだが世間は三連休である。帰りは渋滞が予想される。
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薄暗くなってきた。まだ日没ではない。
雲行きが怪しいのだ。
時々雨粒らしき者が落ちてくる。
帰るとしよう。
渋滞情報でどんどんと
所用時間が伸びてくる。
途中で休憩してやり過ごすことにした。
月が見えてきた。天気は大丈夫そうだ。 |
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ちょっと怪しい雲 |
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途中のSAでは月が見えた |
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高速道路の渋滞を過ぎたと思ったら
環八で渋滞にあった。
どうも工事渋滞のようだ。
高速道路以上に動かない。
しかたがないので環七に迂回した。
久しぶりの静岡から無事帰宅。
明日は仕事だ。 |
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環八渋滞 |
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帰って調べて見るといろいろわからないことが出てくる。猫塚を建立したのは何という会だろうか。またまた調べたいことがたくさん出てきた。