れんべえ(北条)土人形を訪ねて
 ここにでてくる「れんべえ」という不思議な名前は土人形作者の加藤廉兵衛さんの名前からきているのです。土地の名前を付けた北条土人形より通りがいいようです。私は平成12年4月に全国郷土玩具ガイド3(畑野栄三)を参考に現地に行ったのですが、ガイドブックに出ている北条町特産品物産館では扱っていませんでした。そこでご本人のところに直接うかがおうとしたのですが場所がなかなかわかりません。商工会議所で地図のコピーをもらいやっとたどり着くことができました。おそらく地図なしではたどり着くのが困難ではないかと思います。およその道順は鳥取北条農協前の県道羽合東伯線を天神橋の方へ向かい、天神橋詰めの土手沿いの道を左折して北上します。所々に土手下に降りる道がありますが、橋詰めで左折して2番目の道を土手下に降り、突き当たりを右折、さらに最初の道を左折するとしばらくして加藤廉兵衛さんの自宅の門が左側に見えてきます。(この表現じゃわからないだろうな。地図を参照してください)道が狭いので車は土手の上に駐車しておく方がよいでしょう。    加藤廉兵衛宅までの地図
 加藤廉兵衛さんのお宅は立派な門や土塀に囲まれた中にあります。現在お一人で生活しているのでかなり傷みが激しくなってしまっているのが残念です。その中の庭で毎日人形製作に励まれているということです。外出することも少ないということですが、お一人で生活しているせいか話好きで、今回うかがったときもいろいろなお話を聞かせていただきました。俳優の渡辺文雄さんがテレビの取材で訪れたときもずいぶん長く立ち話をしてしまったと自らおっしゃっていました。
 その言葉の一つ一つの中に人形を作り始めたいきさつやその裏に見え隠れする戦争へ行ったときの辛い思いで込められていました。そんな思いがれんべえ人形の優しい表情に表れているのかもしれません。


        
れんべえ人形招き猫     土壁はかなり傷んでいるが立派な自宅の門


      
作者の加藤廉兵衛さん        人形の型


 れんべえ人形の招き猫は何となく控えめで優しいちょっとシャイな感じのねこです。この猫は「招き猫尽くし」で知ったのですが正式には「竜宮猫」といい、民話を題材にしたものだそうです。私の分類でいえば「勝手に招き猫」に分類されるものです。
 れんべえ人形はかつては型に手押しで作っていたということですが、現在はすべて流し込みで作られています。型の種類はひじょうに多いので注文製作になるものも多いようです。
 入手に関しては1個の価格が安いため近くの物産店に置いてもらうと代金を取りに行ったりする手間が煩雑になるため、鳥取近辺ではほとんど扱っていないようです。直接、廉兵衛さんに注文するのがいちばん手っ取り早いようです。東北あたりの民芸店にも卸しているということですので意外なところで目にすることがあるかもしれません。
 ぜひ購入するときは時間があれば直接出向いてみてください。結構長話しになるのを覚悟した方がいいかもしれませんが、そこが作者を訪ねる醍醐味でもあるかもしれません。

  加藤廉兵衛  689−21101 鳥取県東伯郡北条町江北624
                            0858−36−2657

 ちなみに価格は「竜宮猫」はいただいてしまったのでわかりませんが、注文した十二支はセットで9000円(送料別)でした。