2023年7月29日
今回の展示は目呂二の大正時代のデザイナーとしてのグラフィック展。これまでも楽譜の表紙などで見てきたがなかなかまとまった展示というのはない。いや今回が初めてかもしれない。資料は相当数あるはずだが画帳などにまとめられているものも多くばらして展示できない。レート化粧料に入社が大正4年なのでそこでのデザインが本業だろうが、それ以外の仕事も多彩を極める。副業だったのだろうか。
初めて見る資料も多かった。
タバコのデザイン | |
「遊天戯海」(大正8年) 当時日本が占領していた朝鮮の金剛山旅行に 社長に同行したときの画帳 朝鮮の風俗が描かれている |
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目呂二は書籍の装丁もやっていた 展示では年代不詳となっていたが、 後に判明 現在残っているのは裸本で カバーは見かけたことがない 「英訳坊ちゃん」 河村目呂二装丁 夏目漱石著 毛利八十太郎訳 誠文堂書店(1918) |
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第一編「正成と正行」国民小文庫 黒田幹一著 三一社(1915?) |
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今回の展示にはなかったが 「政界の表裏」という書籍の表紙が インスタグラムに上がっていた 調べてみると 「政界の表裏」(大正7年) 無名隠士により萬朶書房から 出版された書籍のようだ 興味のある方は 目呂二ライブラリーのインスタグラムをどうぞ |
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書籍の内容自体は国会図書館の デジタルコレクションで見ることができる しかし国会図書館の資料もカバーはない 無名隠士 著『政界の表裏』, 万朶書房,大正7 . 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/955594 |
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作曲家・杉山長谷夫(前出)による 「目呂二人形」をイメージしたと思われる曲 |
目呂二の残されている作品は丁寧に画帳などに貼られて整理されているののが多い。それ故にばらして展示できないのが残念だ。一部は複写してプリントで展示してあるが膨大な資料のすべてではない。
英訳 坊ちゃん | 資料編 |
展示では年代不詳とあったが、 調べてみると国会図書館の デジタルアーカイブズで確認が取れた しかしカバーが欠損しているため 目呂二の仕事の様子は確認できていない 国会図書館所蔵品はカバーなしの裸本 他にも見つけたがやはり裸本 |
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「英訳坊ちゃん」 初版は大正7年(1918)11月 誠文堂書店は書籍取次店として 明治45年(1912)創業 1913年出版業に参入 現在は誠文堂新光社として営業している |
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見返し部分 おそらくこれも目呂二の デザインではないかとのこと |
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by Kin-nosuke Natsume ほか 『Botchan = 英譯坊ちゃん : master darling』 ,Ogawa Seibundo,1918.11. 国立国会図書館デジタルコレクション https://dl.ndl.go.jp/pid/1700399 (参照 2023-08-01) |
かなり長時間居座ってしまった。土曜日で混む前に帰るとしよう。
木通庵を後にする | 日陰はそうでもないが・・・ | |
日射しが強い 日陰はさほどでもないが 一歩日向に出ると軽井沢でもさすがに暑い 正午には駐車場は満車になっていた 郷土館と共通になっている入場券で 久しぶりに堀辰雄文学記念館も 見学したかったがこの暑さで諦めた |
まだ昭和編が続くであろうから期待したい。
今回展示されなかった作品もあるのでぜひ「河村目呂二ライブラリィのインスタグラム」と見比べて欲しい。