第12回来る福招き猫まつり2006 in伊勢
さて今年も招き猫まつりの初日に出かけた。第2回からずっと行っている(はず。・・・だんだん記憶が曖昧になっていくのが悲しい)ので、今回は11回目になる。
最近は体力的にもバスの深夜便で行き、新幹線で帰ってくるというパターンが多かった。新幹線では初日の9:29に間に合わないので、バスの深夜便ということになってしまう(安いですしね!)。
車で行くのは久しぶりだ。夜の11時頃出発。眠いが適当に休憩を取りながら快調にとばし、伊勢に到着したのは朝の7時前。ちょっと偵察に出かけるが、まだ誰も来ていない。一番乗りのようだ。やがて一人二人と見慣れた顔が現れはじめた。みんな目的は同じだ。
さて、第12回の今年のテーマは「笑えば福寄せ 招き寄せ」
今年のポスターの原画は五十嵐健二さんの作だが、縁台の上にいる猫がまつりのキャラクターのように使われている。このキャラクターは今後も使われるのだろうか。
入り口の案内板でイベント確認 | 新キャラクター? |
まだ9:29まで時間もたっぷりあるので、朝の早い時間におけげ横町を散策。そろそろ実行委員のメンバーなどが到着してまつりの準備を始めている。五十嵐さんも到着して開店準備を始めた。おかげ横町の入り口の常夜燈では水谷満さんの招き猫が招いている。これは祭りの期間だけなのだろうか、それともいつも招いているのだろうか。招き猫郵便局のポストもビニールをかぶったままだし、百福お願い招き猫や招き猫供養もまだ人がいないのでひっそりしている。供養のため預かられていた坊之谷の招き猫などは修理してあげたい一品だ。
ことしは楽市がまつりの後半にあるため、準備も何となくのんびりしている。
水谷満さんの招き猫 | お願い招き猫 | 招き猫供養 |
招き猫郵便局 | 閑散とした太鼓櫓付近 | まつり前のおかげ横町 |
吉兆招福亭の軒先では、いつも通りたくさんの招き猫がお迎えしてくれる。置いてあるだけなので落下したり盗まれたりしないのだろうか。まぁ縁起物なので盗んでいっても御利益はないでしょうけどね。開店前だと石畳の上をゆったり野鳥も散歩しています。ちょっと天気が気になるが気持ちのいい朝だった。
伊勢の注連縄の話
街中を歩いているとどの家にも注連縄が飾ってある。他の地域から行くと不思議な感じがするが、 伊勢志摩地域では一般的なことらしい。最初は伊勢神宮のお膝元でいつでも神様がいるからだと勝手に思っていたがそうではないらしい。 伊勢市観光協会のホームページを見るとその由来がわかる。それ以外にもいろいろな説があるようだ。 |
伊勢では各家の門口に「蘇民将来子孫家門」あるいは「笑門」「千客萬来」などと墨書きした門符(木札)が付いた注連縄を見かけます。正月の注連縄飾りは一般には松の内が過ぎればはずされますが、伊勢市周辺や志摩では、一年間かけたままで過ごす風習があります。 それは、「その昔、この地を訪れたスサノオノミコトに、 裕福な弟の巨旦将来( こたんしょうらい ) は断ったが、貧乏けれど心慈悲深い兄の蘇民将来( そみんしょうらい ) は一夜の宿を貸した。蘇民将来一家の温かいもてなしに感謝し、ミコトは旅立つ時、今後は門符を門口にかけておけば、子孫代々疫病から免れると言い残した」という伝説があるからです。蘇民の子孫である証拠として門符を掲げ、無病息災を願うようになったそうです。つまり、家内安全の祈りを込めた「厄除け」の門符です。 調べてみるとこの伝説はいろいろなパターンがあり、『ミコトは蘇民に「今後、この地に悪い病気が流行ったときには、蘇民将来の子孫であると言い、茅輪(ちのわ)(茅や藁(わら)を束ねて作った大きな輪)を腰に着けなさい。そうすれば病気を免がれるでしょう」と言って、その地を立ち去った』との説もあります。また、『蘇民の娘が巨旦の妻であったのでミコトは娘の腰に茅輪を付けさせよと言い。その通りにすると、蘇民の娘を除いて巨旦一家を疫病で滅んでしまった』という話もあるようです。 (伊勢市観光協会 ものしり情報を引用し編集) |
ちなみに京都の祇園祭で授与される粽も(ちまき)も茅輪 と関係があり、今まで気にしていなかったのだが、確かに家にあった祇園祭の粽を見ると「蘇民将来子孫也」と書かれていた。
さらに、伊勢地方の門符の裏にはせーマンドーマンが書かれているものがあるそうです。ぜーマンドーマントは伊勢地方の海女が磯着や手ぬぐいにぬいつける魔よけで、セーマンは平安朝の陰陽師、安部清明、ドーマンはそのライバルの蘆屋道満からとったものといわれているそうです。 (左がせーマン、右がドーマン) |
調べていくとどんどん招き猫から離れていき、切りがないので伊勢の注連縄についてはここまで。
味匠館のショーウィンドウ | 昼間は人がいっぱい、でも朝なら | |
毎年同じように格子の向こうから 迎えてくれる |
||
伊勢の街には1年中注連縄が飾られる |
中野土人形入手!
目当ての郷土玩具の招き猫の即売だが、今年は事前に整理券が配られた。なかなかよい配慮だ。奈良さんの作品は一人1点で余れば自由にしてかまわないとのことだった。昨年は一部の作品が届いていないという失態があったが、今年は1週間前にしっかり届いていたそうだ。
奈良さんの出品作品は座布団座り招き猫5点、扇持ち3点、猫つぐら5点、猫守り5点の計18点。猫守りは1点は小判柄のねんねこ半纏だが他の4点は松葉の新柄。でも全体的に目が大きくなったのではないかというのが眺めていたみんなの感想だった。
さて時間前になると整理券の順番に並び、各自目星を付けていた猫を順番に手にしく。まずは扇持ちを入手。この猫は「阿吽」に「吽」なのでこれで2体揃った!とりあえず並んでいる人が買い終えたので2巡目。今度は猫つぐらを購入。最初に並んでいた人たちはほとんど2体買え、昨年悔しい思いをした人たちはこれで帳尻があったようだった。来年は松葉の猫守りをねらおうかな。
家に帰ってからよく見ると以前購入した扇持ちは「阿吽」の「吽」で勘違いをしていた。これでは「吽吽」になってしまう。幸い「吽」は「阿」に直せるので、来年のひな市に持って行き、奈良さんに少し書き足して「阿」にしてもらおう。
みんなの目当て | 扇持ちは一番左を入手 | これが店先 |
この方も関東からの常連さん | 関西からの常連さん(土人形制作者) | 以前に比べると種類は グッと減ってしまったが |
中野人形がなくなったところを 自主的に埋め直してくれています |
門司ヶ関人形 |
郷土玩具の招き猫即売会も初期の頃に比べれば種類も数もグッと減ってしまった。しかし、日本橋東急の郷土玩具即売会も何年か前になくなってしまい、全国の招き猫を一同に見られる貴重な機会となってしまった現在、これからも長く続いて欲しい企画である。
昨年初めて出品された大浜土人形もだんだん種類が増えてきた。九州の津屋埼人形も今回は出品数が多くがんばっていた。
また門司ヶ関人形も丁寧な彩色でかわいい招き猫を出品していた。これは2点購入してきた。文字ヶ関(門司ヶ関)人形の現制作者上村誠さんは専門学校時代の恩師に故・柳瀬重朝氏の「文字ヶ関人形」を紹介され、1980年代後半 から仕事のかたわら、土人形の製作を開始。それ以降、「門司ヶ関人形」の名付け親でも
ある故・境忠次郎氏や故・村上氏より『門司ヶ関人形』の名をもらい、現在に至っているのだそうだ。本職がデザイナーということもあるのでしょうが、ひじょうに丁寧な彩色で故柳瀬重朝さんの作品とはまた異なる味を出している。
朝はほとんど人通りがなかったのに | ||
さて会場ではいろいろなイベントをやっています。すっかり恒例となった五十嵐さん親子による大々的な出店や絵付け教室。ますます品揃えが増えていく。カラクリ人形まで作ってしまった。今日は健二さんがいなくて息子さんの俊介さんと祐輔さんが切り盛りしていた。大福市では瀬戸の窯元が出品していたが来週の瀬戸会場の方はどうするのだろう。2匹いる張り子の客寄せ招き猫が1匹しかいなかったから手分けをするのだろうか。骨董招き猫市はまだ品出しの最中でした。楽市のやるあたりで土鈴の絵付け体験をおこなっている。派手なバンダナ?にレザーパンツであまり招き猫作家に見えない。青蜩丸さんだったとは気が付かなかった。土鈴絵付けは最初の3連休だけ。骨董屋さんは朝の散策では見かけなかったが、やっと到着して開店準備。
くつろぎや2階はやはり篠田正隆さんを思い出す場所だ。絵手紙展は今年は大黒ホールの踊り場でやっていた。「さあ、来い!」の気合い猫とドジな猫がよかったな。
恒例の招き猫絵付け体験 | 猫お面 | カラクリものまでつくってしまった |
瀬戸から出張 来週の瀬戸はどうするのだろう? |
土鈴絵付け 青蜩丸さんとは気が付かなかった |
|
くつろぎや2階 | 射的(今年から?) | 恒例の輪投げ |
この絵手紙の気合いがいいな | このドジな招き猫もよい | 福引きの景品 |
おかげ横町で買い物をすると2900円で1回福引きをできる。中野土人形を購入した常連さんは何と2等を当てていた。今回は残念ながら3個とも白玉。白玉の末等は小さな鰹節1パック。しかし家に帰ってみるとこれがなかなかの優れもの。何と伊勢侍カツオブシ。ちょんまげで刀を背負った猫がカツオの上で招いているパッケージ。なかなかやる!販売者は伊勢福。輪投げや射的の末等もこれでした。開けたパッケージはもちろん今日の夕食のトッピングになった。
今年は楽市は後半、水谷満さんの招き猫陶芸教室も後半と長いまつりの期間をいろいろなイベントが手分けしてやっているといった感じだった。瀬戸の短期集中型に比べると伊勢参りでコンスタントに集客の見込める伊勢ならではのやり方だと思うが、スタッフの苦労は大変なことだろう。
猫舞い復活
昨年聞いたところもうやらないと言っていた猫舞いが復活した。今年もこれまで同様、スローガンに併せて落語家風招き猫。福助似の眼鏡をかけた落語家招き猫が舞う。最後は小道具を出して一席。そして招き猫に戻って終わり。頭や小道具をつくるのも大変だし、お囃子も笑点のメロディーを入れたりでなかなか凝った演出になっていた。これからも続けて欲しい出し物の一つだ。
招き猫のポーズからスタートして | やがて寝てしまうが・・・ | |
最後に一席 | 招き猫に戻って終わり |
食べる・飲む
食べる方でもいろいろと招き猫まつりに応じたメニューが準備されている。今年のカフェラボの招き猫プリンは器が異なっていた。ネコシューはこの時期の定番メニューになっているようだ。
昼食はすし久のてこね寿司。特別メニューの幕の内もあるがここは定番メニュー。麦とろも人気がある。昼時はちょっと混んでいるが時間をはずせばOK。棒ずしや大あさりもある。大あさりはまさにハマグリより大きいくらいだ。
そしてティータイムは赤福といきたいところだが、今年はひじょうに混んでいた。伊勢神宮の参拝者がいるので余計混んでいる。外まで行列ができている。そんなとき、となりの五十鈴茶屋はお薦めだ。少し高いが赤福以外に季節の和菓子を食べられる。それに空いているのでゆったりと落ち着ける。
招き猫まつり限定メニュー | カフェラボのメニュー | 招き猫プリン |
ネコシュー 今年はこれ | すし久の裏 | すし久の「てこね寿司」 |
こんなものもあります 大アサリ1ヶ350円 |
||
五十鈴茶屋 |
今まで気が付かなかった、おはらい町通りの市丸の看板猫。なかなか見事なミックスの毛並みである。ひじょうにおとなしいのだがのどの下を触られるのがいやなのだそうだ。それに子どももだめなのだそうだ。子どもが触ろうとすると先制攻撃を仕掛けてくる。孫が触ったり蹴飛ばしたり相手にしすぎるので、子どもをうるさがるのだそうだ。
市丸の生招き猫 |
さて今年も伊勢神宮に参拝。ここまで来たからには行ってみるかという程度の信仰心のなさ。毎回何か新しいことを一つでも発見できればいいかなという気持ちで、きょろきょろしながら正宮まで行く。正面からは白い絹の垣で見えないが脇からのぞきこんで見ると、黒い石の中に白い石が廊下のように敷き詰めてある。この白い石を敷き詰めるのは一般人が入れる唯一の機会とか。白と黒の意味は残念ながら聞き損なってしまった。昨年おこなっていた神事(たぶん遷宮に関係する)でも白黒の幕を張っておこなっていた。その際、警護の方から聞いた話では仏教と異なり、神道では黒白は決して忌み嫌うものではないのだそうだ。石の色もそのあたりに関係がありそうだ。来年の課題がまた増えた。
ここが現在の内宮の正宮 | こちらが前回の正宮跡 7年後にはこちらに引っ越す ちょっと遠慮気味に撮ったので わかりづらいか |
昨年の内宮での神事 白黒の幕ですね |
さて4時を過ぎ、そろそろ帰らなくては遅くなってしまう。来週はまた瀬戸の招き猫まつりに出かけなければならない。早く帰って「ねこれくと」のレポートをまとめるとしよう。