鴻巣練り物を探しに秋のひなの里を歩く
                                                                  2021年11月6日

 鴻巣へはしばらく行っていない。21世紀になって初めて、いや2回目か?その間にずいぶん変化があったようだ。そのあたりの事情を知ることも含め秋も深まってきた日に行ってみることにした。緊急事態宣言が解除されてしばらくたった。みんな少しずつ動き始めた。家を出るのが遅くなり途中が混んでいたこともあり到着は13時頃となってしまった。以前はなかったひなの里駐車場に車を駐める。それほど混んでいない。

天気も気温も快適
青空が広がっている
ひなの里駐車場 気持ちよく晴れている
臼井常吉商店はシャッターがおりている 鴻巣市産業観光館「ひなの里」を見学する
赤物関係の展示 残念ながら赤物の招き猫はなかった
会津天神(右奥)
干支もの 辰と丑 鯛金と海老
タネ(原型)やそれから作ったカマ型 入れ歯ではない 獅子頭のカマ型
達磨のタネ(原型)とかま型 熊金カマ型 熊金
犬金太タネとカマ型 犬金太 カマ型 吉見屋本店前 三五月人形の文字が見える
大正13年の町内地図
招き猫ではおなじみの
臼井玩具店(臼井常吉商店)
秋元玩具店(秋元人形店 )
大塚玩具店(太刀屋)が
現在の位置と同じ場所にある

吉見屋本店の場所が
現在の「ひなの里」の位置に当たる
八幡神社の付近にある臼井玩具店の
詳細はわからない
(臼井一郎商店か?)

ひな壇ができたのは昭和になってからでかつてはひな壇も自作したそうだ
トイレ表示のピクトグラムも男雛と女雛
男性用(男雛) 女性用(女雛)
販売も行っている 臼井常吉商店の練り物 太刀屋の練り物
鴻巣市産業観光館「ひなの里」
江戸時代から300年間人形の製造や問屋として商いを行ってきた
吉見屋人形店とその雛屋歴史資料館(2009年5月閉館)の建物を活用して
2012年2月に開館した鴻巣市の観光展示施設。
鴻巣市の代表的な産業であるひな人形などを展示している。資料保管庫の蔵もある。
観光案内所や多目的広場も併設されている。



 鴻巣の練り物も制作者にもかつてに比べてかなり変化がある。いちばん大きいのは秋元人形店ではないだろうか?
 先日の招き猫まつり(2021年10月)で岐阜のNさんが行ったら店がなくなっていたという話を伝え聞いた。以前からストリートビューで店舗が確認できないことは知っていた。ストリートビュー見られた2012年にはすでに店舗は確認できない。今回の訪問はそのあたりの確認も目的のひとつであった。
 当日現地で聞いた話ではあるが、もう10年ほど前に店がなくなり、資料も博物館に寄贈されたようなことを耳にした。
 かつて秋元人形店は鴻巣市人形3-1-61にあり、現在は店舗があったと思われる場所には比較的新しい住宅が並んでいる。全国郷土玩具ガイド(1992)に掲載されている店舗写真の背景と比較する間違いなさそうだが確証はない。

 しかしその後、2015年に「合資会社秋元人形」が鴻巣市人形3-1-61と同じ住所で法人登録されている。
 また、「有限会社秋元人形」が鴻巣市人形3-1-52に法人登録されている。この住所は太刀屋のとなり付近でこちらも現在は更地になっている。
 ストリートビューで見ると最も古い2012年にはどちらも現在(2021年)とほぼ同じ状態になっていた。

 どちらにしろ秋元人形店の現在の状況は今回の訪問ではわからずじまいであった。

秋元人形は住所からいうとこのあたり このあたりのはずだが・・・・・どうも新しい家の建つところのようだ
酒巻商店は招き猫は制作していない。
酒巻商店
外観はまったく以前と変わっていない
太刀屋に寄る
今の季節は
表のウィンドウには赤物はない

今月から3月の節句に向けた
展示になっている。
黒招き猫大々の
在庫を問い合わせるが、
残念ながら黒の大々は
制作していないようだ。

制作を依頼する。
とりあえず手元にない
赤物の招き猫を購入する。
太刀屋(大塚)
広い太刀屋の店内 赤物招き猫は中のサイズのみ

 太刀屋に行く。表のウィンドウには赤物は展示されていなかった。今月から3月の節句に向けた展示になったのだそうだ。
 早速、目的の黒招き猫大々の在庫を問い合わせる。しかし黒の大々は制作していないのだそうだ。確約はできないがということだったが、制作を依頼する。練り物はそれぞれの生産者の生産歴があるので、できても来年の今ごろになるだろうとのことだった。1年ほどかかりそうだが気長に待つことにする。
 とりあえず手元にない赤物の招き猫を購入する。太刀屋では赤物の招き猫は「中」のサイズしか制作されていない。
 当代の大塚文武さんに古い招き猫に関してうかがったが詳しいことはわからなかった。なお、招き猫・猫図鑑でタネ(原型)を外部依頼したような記述をしたが、現在の招き猫のタネは大塚家で制作されたとのことだ。


 次は人形制作としては後発の広田屋。今では鴻巣では目立つ存在になっている。

広田屋店舗と長寿橋 店舗前
会長の斉藤藤次郎作、練り物招き猫
招き猫と同じつくりの寅 現在も「人形町」という町名はなく「人形」
これまでも人形町は慣例で使用されて
いただけのようだ

 地名の変遷を見るとおもしろい。「人形町」という町名はこれまでに存在しなかったようだ。現在も「人形」で「人形町」は慣例として使用されていたようだ。現在でも人形町自治会館であり、郵便局も人形町郵便局となっている。

太刀屋から出てきた観光協会のおねえさんが持っているのは太刀屋の弓獅子
臼井常吉商店の前に車が駐まり
シャッターが少し開いていた。
臼井人形店のシャッターが上がっていた
  中を覗いてみると
達磨や天神に混ざって
まねきねこも少数あった。
時々開いているようだ
「「ひなの里」の話でも
たまにシャッターが開いているだけで
ここで制作しているのかは
わからないそうだ

声を掛けてみればよかった
赤い雛の幕が下がる旧中山道沿いの人形(町)
鴻巣駅前 駐車場に戻ってきた 日没、遅くなってしまった



今回の収穫
赤物招き猫
(太刀屋)

珍しいグレーの招き猫
煉瓦色(杏色)と黄色い首玉の黒猫
(臼井常吉商店)

小型練り物招き猫4匹
(広田屋)
              
赤物招き猫は中サイズのみ制作



 「ひなの里」によれば、臼井常吉商店はほとんどシャッターが閉まった状態というが、臼井ゑみ子さん(あるいはたみ子さん)のお子さんが少数制作しているようである。

 フリーペーパーのタウン誌「こうのす 11号」(2019.2発行)によれば鴻巣で赤物を作っているのは太刀屋、臼井常吉商店、臼井一郎商店の3軒だけであるという。
     ※臼井一郎商店:臼井常吉商店の分家。臼井常吉の息子の吉五郎が分家独立。吉五郎の息子の一郎が二代目を継ぐ。