=^・^= 中野ひな市へ行く     2001年3月31日

 中野のひな市は毎年3月31日と4月1日の2日間開催されます。メインは何といっても奈良さんと西原さんの土雛の展示即売です。
 歌舞伎物が主の西原さんの作品は貴重です。奈良さんと違ってこのひな市以外ではほとんど入手不可能です(リンゴ栽培が本業ですので)。今年も2月中にひな市に出品する作品は仕上げてしまったと聞いています。西原さんの招き猫はここでしか手に入らないと思っていいでしょう。
 一方奈良さんは「追っかけ」に等しい熱烈なファンを多数持っています。何しろ奈良さん本人もよく覚えていない(あるいは本人も知らない)ことまで詳しく知っているのです。
 毎年3月下旬が近づくと、=^・^=はソワソワし始めます。時間をつくり、ひな市にいつから列ぶか考えなければならないからです。同じように土雛を買うため行列をつくる人たちはみんなこの日のために日頃仕事を一生懸命やって、やっと有給休暇をもらって列んでいるようです。即売会会場の商工会議所前は年に1回同窓会が開かれているような雰囲気です。

 
 展示即売会会場「中野商工会議所」   ひな市のポスター  町中の家にも土雛が飾られる 

 土雛の展示即売会は中野市商工会議所の3階で開かれます。長い待ち時間の間、列んでいる人たちはいろいろなことで時間をつぶしています。ひな市の催し物の一環として近くの中野陣屋・県庁記念館で土人形のテーマ展示が行われています。今年は「金太郎と節句人形展」と七代目原田誠津屋崎人形展でした。一昨年は招き猫でした。また土人形資料館では「娘人形展と干支(巳)展」をやっていました。
 また雛市が近づくと商店などでもウィンドーに自慢の中野土人形を飾るところが多くあります。

      
近くの「陣屋」 「陣屋」の中の喫茶店 喫茶店「陣屋」のショーケース中の猫たち

 中野陣屋の中には喫茶店「陣屋」があり、よく列んでいる人たちがコーヒーを飲みに行っています。ここの店前には彩色されていない常滑系の招き猫が迎えてくれます。喫茶店入り口のショーケースではテレカや本、ピンバッチといっしょに小さな招き猫が販売されています。2年程前に喫茶店のオーナー?の山岸明子さんによって作られ始めたものです。かなりの数がその時、伊勢のおかげ横町に引き取られていったはずです。当時は白だけでしたが今年は風水の影響か5色そろっていました。

     
陣屋の中でのテーマ展示 信州の山を背景に露店が並ぶ        山車が夜には引かれる

 いよいよ展示即売会の前日はみんな「かつ丼」の夕食で縁起をかつぎ、翌日に備えます。今年は2日続けて夜は雪が降りました。、ひな市に列び始めて初めての雪です。最近にないこの天候でこれまた初めてかなり早い時刻に館内で入場待機(と言っても40人だけでしたが)となりました。
 すでに事前情報からかなり出展数が少ないと言うことは伝わっていましたが、商工会議所の正式発表で総数227点。これも近年になく少ない数でした。その中で奈良さんの作品は70点ほど。激戦です。
 1組目の入場者は猛者ばかりで誰がどのあたりへ突き進むかだいたい予想できるので、それを考えながらライバル達の動きをシュミレーションして作戦を立てています。→土人形の買い方は最後の「一言アドバイス」を参照のこと

   左  巳乗り桝(みのります)

右  山姥(これを買った方と前日、土雛資料館に予習に行ってきました。その方は別の小物を欲しいと思っていたのですが会場に入ると、つい大物に走ってしまったとのこと)
 
   左 奈良さん今年唯一の招き猫
  「黒猫福助扇子持ち」

右 西原さんの招き猫(大)

決戦!
 私の整理番号は27番。最初の2組は20人ずつ入場するので2回目の入場になります。1回目・2回目はエキスパートが多いので激しい情報戦が繰り広げられます。ちょっと開いたドアから目的のブツの存在が確認できないか。また1回目の人からの情報収集。瞬時にしてみんな作戦を頭の中で練り直します。
 9時10分いよいよ会場に入場です。みんな目的の場所に狙い澄ましたように向かっていきます。瞬時にして目的のブツと売約済みであるかどうかを見分け、百人一首の試合のような素早さで整理券を目的のブツの前に置き確保していきます。
 私は今年「飾り猫」をねらっていましたが、残念ながら出品されていませんでした。次に毎年同じあたりに展示してあるはずの「猫つぐら」を押さえる。押さえながらまわりを見渡し、これに決定。支払いを済ませ、一息ついて作品を見て回ると今年は招き猫は1点のみでした(扇子持ちのちょっとレア物でした)。これはやはり猫好きの私の後ろの列んでいた28番の方がゲットしました。この28番さんは情報戦で私と同じ「飾り猫」取るものと言動から分析していたのですが、予想は外れました。
 ひと組(10人ないし20人ごと)に与えられる買い物時間は10分です。それが過ぎると次の組と入れ替えです。完売した後は自由に見学できます。2年前に北海道から来ていた招き猫ファンが今年も来ていましたが残念ながら今年も奈良さんの招き猫はゲットできませんでした。出品数は年によってかなり変わるのでこれだけは運不運があります。その代わり西原さんの招き猫を手に入れたようです(一般にはこちらの方が入手は難しいと思います)。
 買い物を終わったエキスパート達の一部は足早やに消えていきます。裏の十二銀行駐車場で全国土人形即売会が行われているためです。これも同じ時刻から始められるため、熾烈な戦いになります。運良く今年は入に入れるのが結構難しい稲畑土人形の招き猫を入手しました。
 陣屋近くの市街地活性化施設で招き猫の絵付け体験をした後、商工会議所の展示作品の写真を取りに行くと、奈良さんが会場に現れました。即売会の会場には今まで来たことがなく、初めての来場とのことです。熱烈なファンに誘われて来る気になったと言うことでした。ここでも奈良さんは人気者でお客さんから写真をねだられていました。
 「来年もまた来ますからいい作品を作ってください」、心の中で願いながら今年はいつもより早めに中野市を後にしました。

  左 会場に来た奈良さん。向かって右の猫つぐらが今年の手に入れた作品です。

右 ファンの要望に応え、奥さんとツーショット

  

一言アドバイス
・・・・ひな市で土雛を買おうと思っている方へ・・・・
 @奈良さんの作品を買おうと思ったら、徹夜を覚悟する。
 Aどんな作品が出品されるかはわからない(ただし追っかけファンからの情報が入ってくることがある)。
 B寒い
   それでも買いたいというときは(徹夜の時の行動パターンです)
 @中野市商工会議所へ行く
 A商工会議所の向かいの「休み処」へ行く。
 B最後尾の方を探す。
 Cお互いに名前を言って顔を覚える。
 D次の方が来るまで待つ。
 E次の方が来たら、お互いに名前を言って顔を覚える。(この前後の方の名前と顔をお互いに覚えることが大切です)

 以上はあくまでも商工会議所はタッチしておらず、並んでいる人たちの自主的な順番整理です。だいたい40〜50番位まではほとんど常連さんです。したがって名前を知っているかどうかは別にして顔なじみばかりでみんな手慣れたもの。初めての人はちょっと敷居が高いかなと思うかもしれませんが、そこは遠慮せずに何でもいる人に聞きましょう。みんな土人形が好きな人ばかりなので教えてくれます。早い順番ではこれも自主的に記録用紙に順番を記録していく場合もあります。
 基本的にはずっと並んでいるのがマナーですが、みんな暇なのでいろいろなところに見学に行ったり、情報収集に行ったりしています。少なくとも午前午後には何時間かいる、「休み処」が閉まるころ(はっきりした時間は決まっていないが午後7時ころ)にはいるようにしたいものです。順番だけ確保してその後姿を見せないなどはもってのほかです。今年は30日の夜のみ商工会議所の取り計らいで終夜「休み処」を利用させてくれました。昨年までは商工会議所の1階駐車場に列を作って野宿でした。私は最近ずっと車中泊です。その場合も販売当日の31日は朝6時くらいには商工会議所の前に行った方がよいでしょう。
 即売会は9時からですが、30分前から整理券を配布します。9時より1番から20番、21番から41番、以後30人ずつ、それぞれ10分間隔で会場に入場させます。

・・・・入場前の準備・・・・
 身軽な動きやすい服装にする。整理券を利き手に持つ。小銭を用意する。頭の中に買いたい人形のシルエットを思い出したたき込む。

・・・・人形の買い方・・・・
 @買いたい人形が見つかったら、整理券を人形の番号や価格の書かれた紙の上に置き、手を絶対に離さない。(人形の番号が書かれた紙は2枚重ねになっており、引換券をはずすと「売約済み」の札があらわれる。したがって売約済みの表示がある人形は当然購入できない。また間違っても整理券を置いたまま他に探しに行ったりしない)
 A係員を呼び、支払いを済ませ、引換券をもらう。   以上で終了。ゆっくり場内を見学しましょう。ただし10分で次の組と入れ替えになる。
   ※もし他に気に入った物があったら、人形の番号札を手で押さえ、係員を呼び交換してもらう。

※買った人形はすぐには引き取れません。ひな市期間中は展示しておくのが原則です。しかし遠くから買いに来ている人が多いので午後になると遠方の人のみ住所を書いて引き取ることができます。それまではゆっくりといろいろなところを見学に行ったり、作品を見学したりしていましょう。

おまけ
 奈良さんの作品は人気が高く入手も難しいのが現状です。頼まれると断り切れない奈良さんは注文を受けてしまいますが、実際に作品が届いた例はきわめて稀です。忙しくて注文に間に合わないのです。自宅の作業場には、はるか昔の注文書がたくさん貼ってあります。奈良さんの作品を手に入れるにはこのような即売会がやはり手っ取り早いようです。
 今回偶然に奈良さんの作品がお寺の授与品になっているという話を聞きました。しかもいつでもだいたい手に入るとのこと。これは行ってみるしかありません。その寺とは長野市内にある西光寺です。地元では西光寺というより「刈萱山(かるかやさん)」と言った方が通りがよいようです。
 ひな市の即売後、いつもより早めに中野市を後にしたのはこのためでした。即売会前日に土人形資料館へ予習がてら一緒に偵察に行った女性に「かるかやさん」までの地図を書いてもらっていたのであまり苦労することなくたどり着けました。
 お参りを済ませ、土雛を買い求めようとすると
 「午前中に買われてなくなってしまいました」
 「女性の方ですか?」
 「そうです」 ・・・・ しまった!
 「明日も中野市にいるなら私買ってきますよ」との言葉を思い出しました。
 入手しそこない、「また今度来たとき寄らせてもらいます」と言って20歩ほど歩くと後ろから、
 「待ってください」と声がかかりました。
 「ひとつだけ包装したものがありました」
 このようにして運良く本当に最後の1体「刈萱道心」を手に入れることができました。

     
 繁華街の通りに突然現れる西光寺の山門 


 西光寺というより地元では「かるかやさん」の方が通りがよい    

おまけ2
 ここまで来れば善光寺にお参りです。山門にいくまでのアーケード街入り口にある「つづきや」に招き猫を発見。本来和装品の店のようですが店内では招き猫を売っています。それに何といっても目立つのはショーウィンドウの巨大招き猫です。張り子製で2m以上あります。
 さらに善光寺に近づいていくと「えんぎ館」という怪しい店があります。招き猫や福助などの定番から、仙台太郎などローカルな物まで店中怪しさを漂わせています。ちょっと入店するのをためらってしまいました。次回行ったときは勇気を出して入ってみるかな。

        
  「つづきや」の看板猫   怪しい雰囲気の「えんぎ館」   「えんぎ館」のウィンドウ