=^・^=中野ひな市行く
                                                       2008年3月31日


 今年も中野ひな市の時期がやって来ました。今年は金沢で猫寺調査をやってから帰りに中野へ寄る(2泊)3日の旅でした。
 初日は金沢で1日過ごし、翌日は移動がてら早めに中野に到着しました。

 まずは小布施で久しぶりによる「中野土びな館」とおみやげの「山屋天平堂」の「杏ぐらっせレア」の購入です。山屋天平堂の売店は営業時間がおおざっぱで前にある北斎館の開館にほぼに合わせています。明日中野で用事を済ませてから行くと慌ただしいので前日に購入と決めました。
 「中野土びな館」は栗菓子老舗の「竹風堂」の裏手にある文庫蔵を改装して竹風堂民芸館としてオープンしました。同じ敷地内にある日本の明かり博物館(有料)のとなりにあり、無料で見学ができます。西原さんの古作の招き猫や奈良さんの古作の飾り猫を見ることができます。奈良さんの作品といっしょに置いてある招き猫は奈良さんご本人に写真を見てもらい確認したのですがわからないと言うことでした。

 中野土びな館  西原家の招き猫  奈良家の飾り猫
 左手  正面  右手
 これは奈良家の猫ではないらしい ここも有名になってしまった「枡一市村所蔵場

 
 まだ時間があるので、昨年行きそこなってしまった「中野土人形資料館」へ向かいます。
 雨が落ち、まだ桜のつぼみもかたく、ひな市前日ということで資料館もひっそりしています。

       
                  特別展示をやっていました

 いちばん大きな第3展示室は畳からフローリングに替わっていました。

 資料館外観  堤人形
 奈良さんの大猫  第3展示室はフローリングになっていた  三次人形

 2年前になくなっていた大型の招き猫のかわりに新しい招き猫が座っていました。赤い野球帽をかぶった招き猫です。これはプロ野球独立リーグの信濃グランセローズの応援招き猫です。でもちょっと心配がよぎります。この型は奈良さんのもとにはないはず。まさか頼んでいた猫が・・・・・。これは奈良さんに問い合わせずにはいられません。


決戦前日の30日は市内の金長食堂でカツ丼を食べ、ぽんぽこの湯につかり、定番の町営駐車場で仮眠するのでした。


 朝になると寒さが身にしみます。つい先日までは長野も暖かかったようですが、油断するとまだ積雪がある季節です。幸い積雪はなかったのですが、みぞれがたまに落ちてきます。近くの山は夜に雪が降ったようで木々には新雪が積もっています。ひな市は抽選になったこともあり、駐車場への車の流入も以前に比べればゆっくりです。朝食の飲み物もよく冷えています。ゆっくりと朝食を済ませ、偵察に出かけます。顔なじみもちらほら見かけますが、まだ人出はゆっくりです。

 何やら新しい建物が見えます。しかも招き猫が招いています。調べてみると、伝統の土人形を生かして地域振興を図る「土人形の里づくり事業」の一環らしい。壁には招き猫が貼ってあるのですがこれはどう見ても瀬戸などの陶製の招き猫です。せっかくの土人形の里を目指すなら地元の中野か立ヶ花の招き猫をデザインしてほしかったです。3月29日に開所したばかりということで活動はまだこれからのようです。

            新しくできた「まちなか交流の家」  まちなか交流の家記事その1  まちなか交流の家記事その2
 まちなか交流の家の中(絵付けコンテスト)
 武水穂神社  いいね、この風景  おなじみ小さな太鼓橋

 商工会議所近くの武水穂神社に参拝し、必勝を願い、散策をしました。ここの境内には大きな樹木もありなかなか居心地がいいのです。参拝道にあるひじょうに小さな石の太鼓橋が気に入っているのですが、今回よく見ると紀元2600年の際に奉納されたもののようです。


 さて今年の購入要項はどうなっているのでしょうか。最近はインターネットであらかじめ情報は入手できます。しかしやはり詳細は地元に入ってからです。抽選までの課程はほぼ昨年と同じですが、購入に関してはかなり変更になっています。全行程で一日がかりといったところです。詳細は下記の配布物と購入のしかたの記事をご覧下さい。

           
                             当選者に配られた購入案内
            
                    ひな市を伝える商工会議所発行「中野TMO瓦版3月号」

 今年の中野土びなの購入方法は次のようになっています。

平成20年中野ひな市 中野土人形の購入のしかた

@3月31日11:00までに中央通り(山城屋角)に並ぶ。
A10:30 整理券の配布
B11:00 抽選

   当選者は午後の指定時刻までフリータイム

C即売会15:00〜 グループごとの指定時間の20分前までに商工会議所前に集合し、係員の指示で番号順に並ぶ。
Dグループごとに2階の展示場に誘導され、番号順に10秒間隔で入る。
Eひな壇に展示されている人形を係員に指示し取ってもらう
F人形を持って部屋の外にある精算所で代金を払う
G別室で置いてある梱包材を使って自分で梱包し持ち帰る

 今年の評価すべき点は前日の30日から、販売当日の31日午前中にかけて即売する人形を展示見学できることです。とにかくかつては購入が決まり、遠方の人が午後に持ち帰るまでのわずかの時間しか見学できませんでした。特に一昨年・昨年は不評で見学時刻が引き取り開始時刻より後だったため、はずれた人はどんな人形が展示されていたかさえ知ることができなかったのです。まして購入しなくてもスキーや観光で訪れた人がひな市ということで見に行っても人形さえ見ることができず、ひな市の今後に影響を及ぼしかねない状態でした。おそらくそれに対し改善を求める多くの意見が出て今回の措置がとられたのでしょう。これによって比較的ゆっくり作品を見学することができ、購入希望者も自分の当たり番号により作戦を立てやすくなりました。緩やかではあるが中野ひな市も進化してきているようです。

    
 中野陣屋県庁記念館での「ふるさとの天神様展」
 もしかすると三次土人形の・・・  奈良さんの奉納された寝牛も展示

 今年の中野陣屋県庁記念館では「ふるさとの天神様展」は開催されていました。今回はそれにちなみ、記念館の近くにある中町天満宮(奈良さんの先祖の屋敷神だったのだそうです)に関する展示もおこなわれ、社殿の公開もおこなわれていました。

     
                   中町天満宮の解説リーフレット       お札
  
                             中町天満宮の紹介

 陣屋記念館の中では今年は春日部張り子の販売をしています。それにしても五十嵐さんはフットワークがいい。

     
   こんな所に中島千波の肉筆画が    今年は春日部張り子



 即売会場の公開と同時にたくさんの人が見学に押し寄せてきました。見慣れた常連さんの顔もたくさんあります。奈良さんの奥さんも見学に見えていました。昨年は体調を崩してファンはみんな心配していたのですが、すっかりお元気になられたようです。今年は展示がすべてひな壇形式になり柵で近くに寄れないようになっています。今までのように作品に付いている札を押さえて確保する形式とは異なる購入方法になっています。

 奈良さんの奥さんも  今年は展示がひな壇になった  今年の干支もの?
 寝牛の上になぜかチャボが
 これはほしかった、飾り猫(中)  今年の招き猫はこれ1点  ひよこが一体化したが2羽減った
 西原さんの招き猫は大1匹に小2匹

 さて、いろいろと見学しているうちに10時を過ぎてしまいました。列に並びに行くともうけっこう列が長くなっています。時々雨やみぞれが落ちてくる中、待つこと30〜40分で整理券が配られ始めました。たしか174番だったかな?この整理券の番号は抽選番号でも抽選順でもありません。並んだ人数を確認するための番号であり、抽選の権利を得ただけです。後は並んだ順に抽選していきます。したがって整理番号1番であっても列から抜ければ、末尾に並び直し、抽選順は遅くなってしまいます。したがって、整理券をもらって抜ける人はなく、みんな抽選が始まるのをまっています。
 11時になりいよいよ抽選が始まりました。けっこう時間がかかるもので自分の所まで順番がやってくるのに30分ほどかかってしまいました。「心を無にして迷わず一気に決める」これがいいみたいです。邪念が入るとだめです。今回も手を入れて触れた三角くじを取ると・・・・・。

 今年の並ぶ場所は2年前と同じ山城屋前  ゆっくりしていたのでこんなところになってしまった  まだ後ろにはどんどん列が伸びる
さて今年の結果は?


  
 これが運命の抽選箱

 ゆっくりしているうちに全国土人形即売会をすっかり忘れていました。開始は12時です。時間間際に行くともうすでに人だかりができています。目当ての招き猫はいないかとのぞき込んでみるのだが、だいたい従来と同じような出展でした。青柳さんの中湯川は招き猫をアレンジしたものが今年も多くみられました。
 今年は富山土人形の土雛窯が新たに即売会に出展しています。昨年の報告から再録しておくと、

 「最後の富山土人形制作者の渡辺秀信さんは後継者がいないことから生前、地元のグループに制作技術を教えていました。そして渡辺さんの引退後人形制作は引き継がれ、現在は富山市民俗民芸村にある「とやま土人形工房」で「とやま土人形」として制作が続けられています。その後、できる限り伝統的な技法で古い人形の復興を目指した5人が分かれたのがこの「土雛窯」です。昨年いっしょに西原さんと奈良さんのお宅をアポなし訪問し、見事空振りに終わったメンバーです。来年は全国土人形即売会の方に出品するとのことでした。」

 今年も古型からおこした新しい招き猫が出ていたので1体購入してきました。先日ネットオークションで古作の富山土人形の招き猫が出品されていて土雛窯メンバーと思われる人が入札していました。手元に置くにはいちばんふさわしい方かなと思い、入札はしませんでした。無事富山の古作を落札していたので、今回確認を取るとやはりそうだということでした。この招き猫も復刻されることを期待するとしましょう。

 新しくつくられる土人形がある反面、会場で残念な話を聞きました。何と清水の豆人形が今年限りだというのです。即売会にもう出さないのではなくつくらない、つまり廃業ということです。現在の制作者の三代目井上佐知子さんもだんだん高齢の域に入ってきましたし、小さな人形だけにそれほど高額な金額を付けることもできず、、後継者の問題などもあるのでしょう。まだしばらくは在庫があるでしょうが、やがて消えていってしまうのは寂しいことです。縁起物には招き猫も入っています。今回スペアとして1組購入しておきました。(加筆注意参照)

 今年も青柳さんはサイン会                    清水の豆人形  廃絶してしまうのは惜しい
<<注意>>
 清水豆人形の廃絶に関しては
情報源はかなり確度が高い方からと言うことで、
即売会会場でもそのことが話されていたが、
2008年9月20日の伊勢招き猫まつりにはこの祭りに合わせて
入荷したという井上佐知子さんの清水豆人形(羽織招き猫のみ)が
たくさん出品されていた。
このあたりの事情に関して詳細は不明。
あらためて詳細がわかれば報告する。今回はあくまでも
会場で聞いた話と言うことにしておく。
          2008年10月1日 加筆
 時間がたてばこんなにひっそりしてしまう

 あれだけごった返していた即売会場も夕方近くになると商品がほとんどなくなり、ひっそりしてしまい係員も手持ちぶさたのようです。


 商工会議所前のふくろやビルでは押し絵雛展をやっています。入り口には「ひな市事務所」の提灯が下がっています。かなり年季の入った提灯で聞いてみると倉庫から出てきたとのことでした。昔からひな市の「ひな」は平仮名で書いていたようです。展示されていたのは大正ころまで松本で制作されていた押し絵雛だそうです。

 倉庫から出てきた昔の提灯  松本押し絵雛
                      まちかど土びな展   街角には各家で所有している土雛が今年も飾られている

 「松本押し絵雛」と「明治末の中野ひな市西町通り」の資料を見るとなかなかおもしろい。なぜか地図にはインデックスの○の色を塗り忘れているが、赤丸が松本押し絵雛の店で10点出店されています。それに対し中野土人形はわずか2店で現在の商工会議所よりわずかに小布施よりの「ならや青果」と「小古井宅」前付近に出店しています。この資料を見ても当時いかに押し絵雛が多く飾られていたかがわかります。

 では今年も絵付け体験をおこなっています。土人形の種類は以前に比べて格段に増えています。午前中から奈良さんを捜しているのですがなかなか現れません。昼食を食べに行ったまま帰ってこないようです。なかなかもどってこないので様子を見にTさんが探しに行きもどってきました。]
 心配して、例の招き猫の件を伺うとちゃんとあるとのこと。何でも大きな猫は送れないので何とかひな市に間に合わせようとしたのだが間に合わず、お詫びの葉書をくれたのだそうです。今年は出発が早かったので葉書とは行き違いになってしまいました。資料館のネコは元の型からつくった猫を元にさらに抜いたためオリジナルより少し小さくなっているのだそうです。まずは一安心。

今年も絵付け体験教室が開かれている 絵付けで求めに応じて目を入れる奈良さん
    
この奥左手に中町天満宮がある  中町天満宮

 うろうろしているうちに集合時刻となり商工会議所へ向かいます。4グループ14番ということは通し番号でいうと64番になります。奈良さんの出品数からいうとギリギリの番号です。奈良さんの小物を狙うか、むしろ西原さんの招き猫を狙うか迷うところです。
 さて入場!昨年までと異なり今年は売れた物はどんどん棚から消えていくので何が残っているのか一目瞭然です。順番の割にはまだ10個ほど残っています。一瞬迷ったが、「這い子」を選ぶことにしました。振り返るひまもなく出口へ向かい会計を済ませ、ウキウキと作品を包み始めました。
 近くにいた順番が先の常連さんに聞くと、残っていた作品がすでに持っていたものなので、西原さんの大型の組み物を購入したとのこと。奈良さんの作品もそこそこの順番までは残っていることがわかりました。

 街の中心部はどんどん変わりつつある  終盤の即売会  テレビ局の取材も
 やはり女性キャスターだと張り切る                           街角のあちこちに

 中野の街はどんどん替わりつつあります。道路の拡張に伴い町並みも景観を考えてつくっていますが、やはり小布施ほどのインパクトはありません。地元の方に伺っても土人形の里というキャッチフレーズもありますが、今ひとつ計画性や方向性に欠けているような気がします。郊外の大型店に押され、街中が空洞化する中、中野の街も岐路に立たされているような気がします。

おまけ 
 こ、これは!!珍品。2体だけ制作されたようです。さすが三河系、裏面は白で、見事パンダ猫になっていました。岐阜のNさん所有品。

       
                  見ればどこの招き猫かわかりますね

     今年の収穫品

      
       今年の抽選券  今年の収穫「這い子」     富山土人形(土雛窯)
                        今年限りの清水豆人形  こちらは全国土人形即売会
 中ノ子さんの干支もの

 ちょっと天気が悪かったのは惜しまれる今年の中野ひな市でしたが、夕暮れと共に街中は大灯籠びな行進の準備が進み、まつりはだんだん地元の祭りへともどっていきました。昨日買い損なった自分用のおみやげをJA中野市農産物産館オランチェまで買いに行くと、地元の方が西原さんの対の土びなを開いて見学会をしていました。以前1番を引いたこともあるのだそうだ。
 もう一度市内に戻り、信州蕎麦を食べ、ぽんぽこの湯につかり明日の仕事に向け東京に向かうのでありました。

 来年も3月31日は平日。また今年程度の人出だろうか。西原さんは奥さんとお子さんでひな市に向けて制作を続けている。奈良さんは出品数がかなり減ってきてしまっている。ただ後継者が誕生するとかしないとか。さて来年はどんな作品が出品されるか楽しみにまた来るとしよう。

 東京に着くと奈良さんからの葉書が着いていました。大きな猫は漠然とした注文だったので制作しづらいと思い、早速もう少し図柄に関し具体化したアイデアを書面で伝えました。何とかなるかな?