袋羽(羽衣)神社の猫塚さんの招き猫絵馬 (福井市) 
                                        2003年3月

 招き猫に関する社寺は全国にいくつかあります。豪徳寺や自性院、住吉大社の楠くん社などは招き猫ファンにとって有名どころですが、今回訪れた福井市の袋羽神社はどちらかといえばマイナーな存在です。以前日本招き猫倶楽部の会報「福の素」で紹介されて初めてその存在を知りました。しかしその後この神社の招き猫の紹介は目にしていません。もっとも招き猫といってもこの神社の場合は絵馬に招き猫があるだけで、土人形などがあるわけではありません。ちなみにここの「はごろも神社」は『袋羽神社』と書くのが正しいそうです。
 さてこの袋羽神社ですがおそらく神明神社の末社ではないかと思われます。神明神社を含め、終戦直前の昭和20年7月に戦災で樹木一切を含め消失してしまったそうです。したがって神明神社もこの袋羽神社もコンクリート造りの近代的な建物です。
 袋羽神社は本殿右方向にある儀式殿の下をくぐっていくとあります。稲荷神、恵比寿神と袋羽神が合同で祭られています。
 祈願用の招き猫絵馬は本殿の中、向かって右側にかけてあります。猫塚さんのいわれには次のような説明がありました。

袋羽神社「猫塚さん」
 古くは「正保二年(1645年)三月吉祥日施主川澄角平興勝」の銘あり、天保・弘化の頃より庶民の信仰得て所願成就の奇●あり
 「袋羽大神」は妻に化けた猫退治をした川澄角平が願を掛けた郷里、結城の産土神、袋羽神を拝えて建立したものと伝えられている。
現在は「猫塚さん」の名で親しまれ、子供の夜泣き平癒に霊験があり、●を供え、絵馬を掲げて子供の無事成長を祈願する人の参拝が絶えない。
                             神明神社社務所
受付は社務所にて
 夜泣き平癒祈願絵馬 初穂料 五〇〇円

(●はデジカメの画像で読めなかった文字)
福井県福井市宝永4-8-1  問い合わせは 神明神社
                           0776-24-2210 
                         
   

 なお、袋羽神社の由来や化け猫伝説については下記のサイトが詳しいので参照されたい。リンクの申請をしていないので現在当サイトからリンクはしていません。

  http://www.kwai.org/murakami/syousai/chb/chb7_1.html  (リンク切れ)

 猫塚の猫というと回向院の猫塚や御前崎にある猫塚のようにご主人に恩義を返したり、ご主人の危機を身をもって守ったりする感心な猫が多いのですが、ご主人になりすました化け猫の供養というのは初めてのような気がします。

 今回は時間が遅かったため、扉が閉められガラス越しにしか見ることができませんでした。したがって社の中の写真は前回行った3年前のものを使用しています。なぜ夜泣き平癒祈願なのかはわかりません。上記のサイトでは猫→寝子からきているのだろうか?とありますがそこでもはっきりしたことは記されていません。
 招き猫ファンにはうれしい数少ない招き猫絵馬のある神社でした。

  神明神社本殿   三神の合祭殿
奉納された絵馬

 神社や絵馬には羽衣神社とあるが袋羽神社が正しいらしい。

猫塚さんの絵馬