時を旅する『福ねこ』 at百階段
                  河村目呂二×大正ロマン、昭和モダン猫 

                                                        


 ホテル雅叙園東京で「時を旅する福ねこat百階段が開催された。~平安、江戸、大正、昭和、そして現代へ~と題されている。その時代時代を通過していった猫の企画展となっている。その中で大正昭和の代表として目呂二が取り上げられている。
 ちなみに平安は「小澤康麿×平安文学の猫」、江戸時代は「粋、洒落、人情×江戸の浮世絵猫」、大正から昭和が「河村目呂二×大正ロマン、昭和モダン猫」、昭和は昭和レトロの世界×昭和懐かし猫」、現代は「福(29)アーティスト×令和の福ねこ」、時代を旅する「ナカムラジン×時を旅する吉兆ねこ」、未来の福ねこは「よねやまりゅう×未来へ旅立つねこ」という構成になっている。

シルバーパスを駆使して目黒まで行く
都営三田線は開業したのは遅いが
目黒駅が始点となっている
最近は乗り入れも多いので
乗車した電車は高輪白銀止まりで
乗り換えた
バスで三田線へ   次の電車待ち
 
受付   ねこ特典のポストカード
目黒駅に着いた
行人坂を下り、途中の大圓寺を散策する
受付で特典の絵はがきをもらう
エレベーター脇で
マネーキーとラフターがお出迎え
  お出迎え 豪華なエレベーター


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エレベーターを降りると
縁福猫がお出迎え
ちょっと面長な感じがする
この縁福猫は造形作家のHISOKAさんの作
瀬戸の招き猫まつりでもおなじみの
涅槃猫の作者だ
HISOKA(宮内密)作
パンフレットもこの階段で撮影 履き物を脱いで百階段に向かう
百階段は昭和初期の建物なので
エレベーターもない
当時も高齢者は昇るのに
苦労したのではないだろうか
百階段を上って展示会場に向かう  


十畝の間  
十畝の間
一番下の十畝の間で
目呂二の展示がおこなわれていた
右は中外陶園で1枚の絵はがきから再現された「接吻」 
目呂二の立体作品
目呂二は元々は彫塑が専門

左 うずくまり(ブロンズ)
下左 かまきり(陶製)
下右           
春暖(あかねこ) (石膏着色)
おなじみのマネーキーとラフター 縁福猫3点
左上 初代縁福猫 旧痴娯の家所蔵品
右上 二代目縁福猫 破損していた猫を修復した作品
以前見たときはあまりよくわからなかったが、
今回は照明の影響で修復部分がよくわかる
破損した画像も目呂二ミュージアムにあるので
探してみてください

左   三代目縁福猫 
お気に入りで飾っていたようなので
羽織が日焼けしている

右 残念ながら部分的にしか読めない
「抱注運加無数因倍○○○迎途 猫珍奇林主人戯墨」
要するに「笑う門には福来たる」なのだが
判読不能の文字がいくつかある
この猫は若い娘猫のように見える

下 名古屋のNさん所蔵品の初代縁福猫
由来に関してはねこれくと内の
目呂二ミュージアムの目呂二の招き猫
18「河村目呂二の縁福猫が招いた縁と福」
参照のこと
部分的にしか読めない
旧著名伝統芸能保持者所蔵品の縁福猫 

すの子作の変わり雛
変わり雛の展示はかつて木通庵でもあったが、
借り物も多かったようで撮影不可だったため
どのような作品が展示されたか記録が残っていない
今回始めてみる作品もあった
残念ながらスポット照明で撮影が難しかった
共箱があるのはソロさんの所蔵品か?

我楽他宗関係の展示
今回は少なかった
川崎巨泉と同様に入手した人形の詳細を記録している
 趣味の百猫 
状態がいいように思われる
だれの所蔵品だろうか?
平凡寺の名があるので名古屋のNさん 松平康荘の所蔵品?
まねき便り 百猫のリスト
目呂二のグラフィック関係の仕事
目呂二の愛猫写真集
「Lovery CAT my house」
はたして生涯で飼った猫は何匹いたのだろうか?

下 目呂二をめぐる人々はまた増えていた
はたしてノエミ・レーモンドの依頼した
動物愛護ポスターは完成したのだろうか?
目呂二をめぐる人々 (PDFファイルへ)
百階段にある部屋はどこも絢爛豪華にできている
著名画家による天井画や螺鈿細工など
贅を尽くしている


 ここからは目呂二以外の展示

魚樵の間  
小澤康麿作品でたどる平安文学の猫たち
リアルな小澤猫たちの世界


寛平御記(宇多天皇 867-931)の黒猫
日本最初の猫日記の漆黒の猫
「手飼いの虎」 和歌の世界の猫
猫に見つめられる観覧者
しましまの唐猫
猫の産養
藤原実資日記「小右記」
枕草子(清少納言)
源氏物語(紫式部)
更級日記(菅原孝標女)
蝶の絵に飛びつく猫
今昔物語
税金を納めない豪族を懲らしめるために閉じ込めた猫部屋


草丘の間    
福(29)アーティストによる
令和の福猫展
素材も様々で販売されている 
高額商品が多くなかなか手が出ない
  「階段だけ」


星光の間    
粋や、洒落、人情を表現した江戸の浮世絵の中の猫
残念ながら撮影禁止なのでここでは紹介はできない
前後期で作品の入れ替えがある 
 
静水の間
ナカムラジンさんの時を旅する吉兆猫 信州中野駅前にも作品があるようだ
清方の間    
有田ひろみ・ちゃぼによる、「昭和ほのぼの商店街」
目羅健嗣による「キネマメラノ座」 昭和の映画看板
頂上の間    
99段しかない百階段 最上階では重厚なよねやまりゅうの未来へ旅立つねこ
さてそろそろ帰るとしよう
こんなところに猫が
絢爛豪華なエレベーター内を撮影するには超広角レンズが必要
今回初めて奥まで行ってみた
エスカレーターを乗り継ぐと
どんどん上に上がって行く

やがて最上階まで来ると外に出られた
建物の脇を歩いて行くとドレメ街道に出た
逆をたどれば駅から
ほとんど高低差なしで百階段まで行ける
行人坂を歩くか迷うところだ
中庭 ドレメ通り(手前)に出た



 結婚式場は9月いっぱいで契約が切れるらしい。それに伴う予約キャンセルで揺れていたが今後の運営はどうなっていくのだろうか。百階段自体はなくなることはないがこれから先の運営方針が気になるところだ。





                                  


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