すか(須賀)川土鈴
種類:土人形
制作地:福島県須賀川市
現制作者:菊地瑞成(みずしげ) (廃絶)
制作者の菊地瑞成は1975年(昭和50年)に45歳の時に地元のデパートを退職して、愛知県立職業訓練校窯業課に入学して焼き物の修行をした。翌1976年(昭和51年)に地元の須賀川市内に六桃窯(りくとうかま)を開いて数々の創作土鈴を作成した。他ではあまり作られない型や題材、土鈴に書き込まれているしゃれっ気のある言葉など発想がおもしろく、多くの土鈴ファンがいたという。森瀬・他(1979)にはまだ掲載されていない。畑野(1992)によれば当時土鈴だけで130種類程あったという。
残念ながら1990年代半ば60代で亡くなり、わずか30年足らず一代限りで廃絶してしまった。須賀川は『すか川』とひらがな書きを採用している。
比較的最近の土鈴にもかかわらず情報が不足し、詳細に関しては不明である。
猫に関しては左手の肉球を見せた招き猫風の土鈴が有名である。他に猫の土鈴があったかは不明。
1990年代に一度訪問したことがあったが、すでに廃絶した後で建物の屋根には「六桃窯」の表示が残っていた。円谷幸吉の家(円谷幸吉記念館:現在は円谷幸吉メモリアルアリーナ内に移転)のすぐそばで裏手には御嶽山神社がある。
※不明な点が多いのでご存じの方はご教示願いたい。
荒川千尋・板東寛司(1999)より (左) |
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右手の肉球が見える | なぜか赤いはちまきを巻く |
尻尾は彩色なし | |
白猫に左右および背面に茶色の斑が各1つある 左手は招くというよりは肉球を見せている 右手はガッツポーズあるいはカモンポーズのようになっている 赤いはちまきが印象的 「頑張れ!」のようなメッセージの土鈴に見える 尻尾はあるが彩色されていない 底部には「すか川」と「瑞」の銘が入る 「瑞」の下の「り」のような部分は 下のダックスフントの土鈴を見ると 「瑞」のつくりの一部であることがわかる 高さ 約75mm 以上5点は掲載許可を取っていません ご連絡いただければ正式に掲載申請いたします |
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底部には「すか川」と「瑞」 | |
かつて六桃窯の看板が2階の屋根部分にあった | |
すか川土鈴の「ダックスフント」 | |
最近入手したダックスフント なぜダックスフントが土鈴になったのかは分からないが すか川土鈴にはおもしろい題材が多い |
どう見ても土鈴には不向きと思われる 胴長ダックスフントがしっかり土鈴になっている おもしろいのでいつもと同じように5方向からの画像を掲載した |
キョトンとした表情 | 単純なフォルムだがダックスフントの雰囲気がよく出ている |
尻尾は左に振る | |
「すか川」と「瑞」の銘が入る |
参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド1(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)
土の鈴(石山邦子、1994 婦女界出版社)
日本の土鈴(森瀬雅介・斉藤岳南、1979 徳間書店)