川越張り子    

川越張り子
 種類:紙張り子
 制作地:埼玉県川越市
 現制作者:荒井良

  荒井良(1958−    )、張り子作家で造形作家。
 
 大学卒業後、1989年に制作開始。「工房もんも」を設立して郷土玩具を制作。郷土玩具以外に「化けものつづら」シリーズや妖怪の作品をリアリティあふれる雰囲気で創作し発表している。作品は京極夏彦の文庫本の表紙にも使われている。
 張り子の招き猫は勅使河原型の覆刻版だそうだ。江戸犬張り子で有名だった勅使河原家が空襲で焼け出され浅草から鎌倉に移り、鎌倉張り子として型から制作を続けた。平成7・8年ころ、その勅使河原家の型を譲り受け、その原型から木型を起こして制作を始めたようだ。さらに荒井さんに弟子入りし勅使河原型の張り子をつくっている方もいるそうだ。家族や親子で受け継いでいく従来の郷土玩具(人形)づくりとはまた違った発展をしている張り子のようだ。
 したがって川越張り子は創始こそ新しいが、古い型を今に受け継いでいる招き猫なのである。

大きな前垂れに小さな金の鈴 ひげが特徴的   
右手挙げ 背面に描かれているのは尻尾か?

左手挙げの白猫に茶色の縁取りの黒い斑
赤い首玉に大きな前垂れ
前垂れには鞠が描かれている
右手挙げや前垂れに
鯛が描かれているものもあるようだ
カールしたひげが特徴的

高さ146mm×横78mm×奥行82m



 
シキと呼ばれる土のおもりに乗る  


 化けものつづら(荒井良、2006 木耳社)表紙より

生き人形のような張り子作品
川越張り子と同じ作者と言われても気がつかない





参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド2(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
招き猫博覧会(荒川千尋・板東寛二、2001 白石書店)
萬福猫百覧会(荒川千尋・板東寛二、1999 新紀元社)
化けものつづら(荒井良、2006 木耳社)