日出人形      

日出人形(ひじにんぎょう)
 種類:土人形・張り子
 制作地:大分県速見郡日出町
 現制作者:門上(もんじょう)修 (門上彩雲)
    彩雲は雅号

 日出人形は比較的最近できた土人形である。デザイン系の仕事をしていた門上修とやはり美術系の仕事をしていた夫人が創始した。分業制ではなく、二人はそれぞれに型抜きや彩色をおこなっていた。
 1980年ころから土人形づくりを始めて独立した。夫婦で作り始めたのは国東半島の土鈴でその後人形の種類も増えていった。招き猫は極力フォルムを単純化している。型抜きをした後、表面をなめらかにして彩色している。デザインとしては現代的な招き猫である。
 現在は門上修さんが亡くなり、修氏の夫人が制作を続けている。後継者がいるのか気になるところである。

 招き猫は白や黒が多いが、黄色や赤など他の色もある。土人形以外に土鈴になったものもある。高さが20cmを超える大型もある。大型のものは底が紙張りになっているものもある。下の実演の画像を見ると招き猫のサイズは4種類あるようである。


日出人形
親子招き
黒猫の親子招き 親子とも左手挙げ
赤い前垂れに仔猫のみ黄色い鈴 尻尾はない

極端に簡略化された姿が特徴
彩色で勝負の黒猫親子
親子共に左手挙げ
赤い首玉(前垂れ)
仔猫は黄色い鈴を付ける
尻尾はなく、背面の彩色もない


高さ109mm×横89mm×奥行79mm
空気抜きの小さい穴がある
小型招き猫   
白基調の三毛猫 左手挙げ
尻尾はない
サイズの違いはあるが基本的には黒猫親子と同じ
左手挙げで赤い首玉に黄色の鈴
黒の斑に茶色の縁取り
背面の彩色はない

高さ66mm×横50mm×奥行42mm
底に空気抜きの穴  
 上の白猫の色違い

高さ64mm×横48mm×奥行39mm

                  
2003年第50回最後開催の全日本郷土玩具展で実演の門上修さん  
(左) サイズはこの4種類か

(下) 伊勢の招き猫まつりに出品されていた日出人形
奥の白猫が最も大きいサイズと思われる 
 



   日出人形ホームページ






参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
全国郷土玩具ガイド4(畑野栄三、1993 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)
招き猫博覧会(荒川千尋・板東寛二、2001 白石書店)