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   青梅アートフェスティバル98「招き猫たちの青梅宿」


 青梅街道の宿場町として栄えた青梅の街並みも人の流れが変わってしまい商店街は衰退の危機を迎えていました。そこで商店街の活性化のために、平成元年(1989年)に東京都のモデル商店街事業の指定を受けて歩道の整備を実施しました。それに伴い地元商店街が高校や国際交流団体などと共に地元活性化を目指して1991年第1回目の「青梅アートフェスティバル」を開催した。これが「青梅アートフェスティバル」の始まりであった。
 第8回の1998年というと、来る福招き猫まつり(伊勢1995年開始、瀬戸1996年開始)が定着し始め、猫ブームに沸いていた時代である。

 第8回青梅宿 アートフェスティバル 『招き猫たちの青梅宿』
 会期 1998年11月21日(土)〜23日(月)美術展のみ29日まで

 なかなか当時の様子はネット上でもわかりません。いちばん詳しいのは日本招き猫倶楽部の会報「福の素」です。青梅アートフェスティバルは毎年テーマを変えて開催されていますが、この年は「招き猫たちの青梅宿」と題して開催されました。このフェスティバルは毎年テーマが変わるのですが、翌年は「昭和恋しや青梅宿」をテーマに第2回「猫町の福まつり!」と題して猫部門が開催されました。

 出品予定アーティストには次の方々の氏名が見受けられます。
 もりわじん、平賀敬、秋山祐徳太子、美濃瓢吾、山口マオ、ひがしりょうこ、亀井桂子、中村まみい、長谷川彩美、まきのまり、入山忠衛、小島美知代、佐山泰弘、篠田正驕A松風直美、豊田明美、布施渥、星野允、曲沼らん子、五十嵐健二、石川恵子、増田惠、町田久美、松田一戯、水野卓史、宮内久美子、米田久美子他(順不同)とそうそうたるメンバーが名を連ねている。すでに鬼籍に入られた方もいます。

               

 さて元にある画像を探してみると、フィルム画像をして残っていました。すでにデジタルカメラを使用し始めていましたが、まだ画質の点でフィルムカメラの方が圧倒的に有利な時代でした。

 猫のワーゲン、ストリートミュージシャン
おねえさんは猫耳をつけている
これは猫舞いの猫がしら

茶屋めぐりスタンプラリーの文字が見える
 蕎麦屋の看板にもネコ
 寿司屋の看板にもネコ
 葦簀に描かれたこの黒猫いいな
 さびた鉄板を利用した黒猫と裸電球の下の黒猫

 街中のいたるところに猫がいる。まだ時代は「招き猫まつり」が始まった頃だった。
 青梅の売りは映画看板の復刻版。看板師の方がいろいろな映画の看板を描いていた。なかには猫に関する映画もあった。もっとも猫が出てくる映画と言えば「化け猫」ものが多い。

  平賀敬、秋山祐徳太子、美濃瓢吾の三人展

この建物は翌年「昭和レトロ商品博物館」として
開館する建物
 丸〆ネコ
「青梅には
招き猫あり
福招く
萬の客来て
千の蔵たつ」とある

となりの映画看板は「直参風流男(1941)」
高山廣子は狸御殿などの出演しているが
「怪猫謎の三味線」にも出演している
 「猫三味線(こじゃみせん)」は
化け猫で一世を風靡した
鈴木澄子の「怪猫謎の三味線(1938)」か?
この作品には森光子や伴淳三郎の名前も見える
「化け猫映画の看板が掛かる屋根」の看板
   
氷柱の招き猫   
 布施渥さんが実演販売をしていた。
 小嶋伸さんも実演販売をしていた。
たしか「カラスウリ」の種子を
肉球に見立てた作品も販売していた
ような気がする。
 猫のご神体が乗った神輿
 狛犬ならぬ狛猫?
もりわじんさんの紅白の猫神?
この石段の上にある住吉神社までの
参道も猫で飾られている

                  
 住吉神社で頒布された『あおめ道祖神おすがた』。ちなみに青梅→おおめ
 住吉神社の当時の宮司さんのデザインによるものだそうだ。着ている衣装も実際の宮司さんの衣装だとか。
 座布団付きのおすがた800円(800個限定)、3点セット(おすがた、絵馬、縁起札)は1000円(500組)

 
 あおめ道祖神おすがた  入手したのは1998年か翌年か忘れてしまった

              
 福の素によれば八王子の老舗和菓子屋で発見された明治初年の型を使った紅白招き猫最中が120個限定で復刻販売されたそうだ。今戸焼の横座りの型なのだそうだ。見てみたい!


 1991年第1回が開催された青梅アートフェスティバルは現在まで続いており、昨年2018年で第28回を迎えた。その年のテーマは「路地裏に猫映画看板」。商店街の路地や横町に猫パロディ映画看板が掲げられたそうだ。