タイトル 会期
銀座ストリートギャラリーの招き猫
「招き猫のウィンドウ」  
1997年12月から1998年3月
「秘密の花園」 2008年6月17日〜22日
階段下の図書館」 2010年10月18日〜23日



銀座ストリートギャラリーの招き猫
 1997年12月〜1998年3月まで開催

 銀座の晴海通り沿いにある富士銀行(現在はみずほ銀行)数寄屋橋支店と中央支店の通りに面したウィンドウにストリートギャラリーと名付けられた展示施設があります。現在は「みずほストリートギャラリー」と名称を変えて存続しています。ここでかつて招き猫が展示されていたことがあります。
 招き猫は1997年12月から1998年3月まで数寄屋橋支店で開催されていました。題名はずばり『招き猫のウィンドウ』で「何を招いているのでしょう。 たくさんいると招く力も大きいかな」というメッセージが付いていました。
 作者は中川るなさんという女性の方で立体型取りをはじめ、染色やシルクスクリーンなど多岐にわたっているようです。招き猫自体は常滑タイプの標準的なものですが、その数に圧倒されます。
 銀座のしかも人通りの多いところなので撮影には苦労しました。まずあまり距離をとれないのでデジカメはあきらめ、20mmの広角レンズを付けたカメラを持っていきました。しかしなかなか人通りは途切れません。正面からの写真を撮るにはけっこう時間を要しました。それでもたしか正月に撮影しているので比較的人通りは少なかったはずです。またどうしてもガラス面に風景が映り込んでしまいます。偏光フィルターを持っていけばよかったと後悔しています。
 さてこれらの招き猫は展示後どうなってしまったのでしょうか。ちょっと気になります。

 中川るなさんの経歴と作品は次のところで見ることができます。承諾を取っていませんのでリンクはしませんがぜひご覧ください。『招き猫のウィンドウ』の照明状態のよいものが見られます。さらに招き猫ものがもう1点紹介されています。これもなかなかよいです。
     http://www.recruit.co.jp/GG/af/nakagawa_runa/main.html(リンク切れ)

                                        2003年3月23日


追記
 アーカイブスに掲載した5年後、突然ご本人からメールがありました。さすがインターネット、その広がりのすごさを感じます。再検索してみると中川さんはその後大学や専修学校で講座を持ったりといろいろなところで講師をされたりとお忙しい日々を送っているようです。まだ制作の方でも個展の情報を得ることができました。今回検索をして、「インスタレーション」という美術用語を初めて知りました。中川さんはいろいろな分野の制作活動とともに、この分野でも活躍され講義もされているということです。私と同じように「インスタレーション」とは何?と言う方は調べてみてください。「なるほど!」と何となくわかるはずです。もっとも奥は深いようですが。
 残念ながら、上記のリンクはすでに切れています。銀座ストリートギャラリーは現在も続いていますが、HP上には2002年以降しかありませんので見ることができません。まだ詳細に検索してみていませんが、どこかで中川さんの作品を見ることができるのでしょうか。
 なお、中川さんが執筆されている「バンコクのかぼちゃ」(1993)はタイを知るには絶好の本とのこと。ちょと読んでみたくなった。

 ところで「さてこれらの招き猫は展示後どうなってしまったのでしょうか。ちょっと気になります。」の疑問にご本人から回答がありました。『段ボールに入って、物置にある』そうです。
                                           2008年2月24日 加筆

追記2
「秘密の花園」 2008年6月21日(会期 2008年6月17〜22日)
 6月18日に中川るなさんからメールがありました。「ネコ作品ではありませんが展示をやっています。うさぎと蝶と馬はおります」という案内でした。早速ネット検索すると菓子型で創った作品のようです。場所も青山で週末にちょうど仕事で出かける都合もあったので見学に行くことにしました。
 会場の北青山にあるギャラリーDAZZLEは表通りの賑やかさとは打って変わって、昔ながらの住宅街といった雰囲気の裏通りにあります。路地の奥には立て看板が見えますが、なければちょっと見過ごしてしまうような袋小路の奥にあります。

                         
 今回の作品は菓子型で造った打ち菓子のような彩色型抜き石膏の展示です。確かにウサギやハス、蝶といった型があり、その中に仏像が織り込まれています。やはりタイに海外青年協力隊として参加した経験が色濃く反映されているのかな?正面にあった薄い桜色がすてきだ。中央からは吊し雛のように薄い型抜き石膏プレートが下がっています。展示会場全体では全部で2000(3000だったかな?)の型を抜いたのだそうだ。
 スペースがあって作品を創るのか、作品があって展示スペースを捜すのか伺うと、やはり会場があってそれに見合った作品を創るのだそうです。ちなみに銀座ストリートギャラリーの招き猫も最初に展示スペースがあってそれに合わせて招き猫の数を決めていったのだそうだ。

 突き当たりの左にある  会場は小さいが、おもしろい空間

←壁面の展示と天井から下がっている吊し物?の様子がわずかにわかる
  右の背中が中川るなさん

 中川さんの作品にはキューピーがよく登場する。(中川さんはQPとあらわしている)。なぜQPなのか聞き忘れた。銀座ストリートギャラリーもQPの予定だったのだそうだ。いただいてきた資料のウィンドウインスタレーションのモチーフとなっているのもQPである。 

いただいてきた資料
今年の明星大学の紀要から
 (著作権の関係でちょっとだけ)

 ウィンドウインスタレーション
「to be continued−そして続いていくもの」
 吊し雛のように下がっているのは石膏板にキューピーのプリント。下に置いてあるのはやはり型抜き石膏のキューピーとタイの赤いろうそく各300
 高さ7mにおよぶ作品
 見てみたかった

 帰りがけに中川さんが「外に猫がいませんでしたか?」
 朝方、ネズミのおみやげを置いていったらしい。向かいの建物の入り口で猫がえさを食べていた。どうもこの猫がプレゼンターのようだ。青山の路地裏でしたたかに生きている猫は名ハンターのようだ。逃げる様子もなく、モデルになっていた。

   
    見たな〜  なかなかの名人らしい

   



追記3
「階段下の図書室」
 2010年10月23日(会期2010年10月18日〜23日)
 
 「また、ねこはおらんですが・・」と案内状が届いた。かつて銀座のストリートギャラリーで招き猫のインスタレーション展示をおこなった中川るなさんからだ。何ともう招き猫は13年前のことになる。そして前回行った「秘密の花園」からも2年以上が過ぎている。
 

      
ちなみに当HPは「ねこれくと」です。
けっこう多くの人が間違えるのです。

     
 個展は平日スタートの土曜最終日なので、行けるのは最終の土曜日しかない。ねこはなくとも行ってみることにした。何しろインスタレーションという聞き慣れないジャンルと言葉を知るきっかけとなった方だけに放っておけないのである。
                
 今回の会場は銀座1丁目ということで有楽町線で一本で行ける。
 さて着いた先は新しいビルの間に建つなにやらレトロなビル。なんだこれは。いやでも目立つ。まずは外から観察。けっこう緑が多い不思議なビルだ。
 後で調べてみたらこの「奥野ビル」は銀座でも有名な存在らしい。昭和7年に建てられたというので戦災を生き延び今に残されているようだ。当時は銀座アパートメントといったらしい。同潤会アパートを思い出したが、何と同潤会の建設部長が独立した後、設計したものなのだそうだ。
 現在ビルは多くのギャラリーが入っている。あとで中川さんにうかがったのだが、すでに最後の住人が出てしまい今は住んでいる人はいないそうだ。そして今回の地下展示場の奥には風呂があったのだそうだ。もう一度ビルを見学に行く必要がありそうだ。

昭和7年建設のレトロな外観
    
奥野ビル入り口 多くのギャラリーが入る 郵便受けの案内がおもしろい

 中にはいると合資会社奥野商会のドアが。ビルのオーナーだろうか。場所から考えるとかつての管理人室だった部屋かもしれない。その向かいにはこれまた古風なエレベーターが。何とドアは手動ということだ。脇には使用方法や注意が張ってある。

 さて会場はどこか。エレベーター裏の階段下をのぞいてみたが違う。エレベーター奥の階段下をのぞくとどうもここらしい。なにやら怪しい雰囲気の場所だ。タイル張りの階段を下りていく。会場があった。ここだ、記帳する。会場らしき所にはいるとどうも様子が違う。別の会場のようだ。入ったついでなので見学していく。となりは写真銀行。よくわからない。こちらは準備中のようだ。

合資会社 奥野商会 これまたレトロなエレベーター
この階段を下った地下一階  ここが会場入り口 後ろ姿が中川さん

 そしてもう一カ所倉庫のように見えた奥行きのない会場が今回の会場だった。ひじょうに小さい。あとでうかがうとドアを開けた所にポンと展示物を置く場合が多いそうなのだ。実際にこの部屋は倉庫か物置として使われていたようだ。何しろ階段下にある部屋なので奥の方はまさに階段の真下で高さがない。
 中川さんの許可を得て会場の撮影をする。狭い場所なのでしゃがみ込んでさらにローアングルのノーファインダーで撮影をする。この低い視線にだんだん慣れてくると、今まで狭かった空間が広々とした感じに思えてくる。座り込んでしまいたいほど落ち着いた空間が広がる。あとで撮影した画像を見ても狭さを感じない。不思議な感覚だ。

図書館開館中
不思議な空間が広がる
天井?の傾斜が階段 漆喰部分が階段幅 床の痛みも味わいになってしまう
横が会場の奥行き
影の造形がおもしろい

 あとで中川さんにうかがうとこの会場は普段はもっと薄暗くして展示することが多いのだそうだ。今回画像を見てあらためて影の造形のおもしろさに気がついた。その場では雰囲気に飲み込まれて気がつかなかったのだが、視線を変えたとき影がつくり出す立体感がおもしろい。

この階段下が今回のギャラリーでした

 一歩戸ビラの外に出ると現実に引き戻されてしまう。
 この階段の下に秘密の地下図書館があると考えるとおもしろい。不思議な体験であった。
 もう少しすると1年限定で犬を飼う(預かる?)のだそうだ。今回の展示はQP(キューピー)や仏像などをモチーフにした展示だったが、次は犬が登場したりして・・・・。
 
 
 会場のある銀座の町もどんどん変化している。歌舞伎座もあっという間に解体されてなくなってしまった。そのような中で昭和通りに面した一画に不思議空間を見つけた。ビルの一画に忘れ去られたような木造二階建て。

こちらも銀座の不思議空間 なぜか招き猫がいっぱい。
猫好きなのだろうか? 売っているのだろうか?

 なぜか招き猫がたくさん並んでいる。厄除けに売っているような表示もある。猫好きなオーナーなのだろうか。銀座には新旧不思議な空間がまだまだたくさんあるのだ。