街角招き猫 
 日本各地の街角で見かけた招き猫達です。



熊張の元煙草屋看板猫
 招き猫まつりで名古屋ICから瀬戸へ向かう途中で見かけました。見つけたとき、後戻りをしてよく見ようかとも思ったのですが、懇親会に遅刻しそうな時間だったのでそのまま通り過ぎ、帰りに見ることにしました。懇親会で荒川さんに話すとすでにご存じでけっこう有名なようです。セメント製ですので少しずつ風化が進んでいる上に、オーナーの煙草屋が閉店したあと建物を売りに出しているので、もし買い手が見つかったときには撤去されてしまう運命にあるかもしれません。

   物件
  元煙草屋の看板猫

撮影  2001年9月30日
場所  愛知県
     セメント製、ガラスの目に貝殻の爪


川越 芋せんべいの「隆清堂」のいも猫

     
「隆清堂」店頭 いもは別に作ってあるが、皿は猫と一体化している  もう1匹

 以前から川越成田山別院で毎月28日に開催される骨董市の時に前を車で通りながら気にしていた猫です。今回仕事で川越に行ったのを期に取材してみました。所有者は川越名物のいも菓子の製造販売をしている『隆清堂』です。ご主人の話では「張りぼて」と言っていましたが、これは明らかに発泡スチロールを削って作ったものです。ただし、上の写真の右にあるように発泡スチロールを切り込んだ跡(腹の部分)がなければそれとは気がつきません。おそらく廃材の発泡スチロールの箱を利用して作られたものと思われます。土人形と見間違うほど見事な作りです。発泡スチロールだからこそ中央のいもがのったお皿なども猫と一体化して自由に造形できたのです。
 地元の方が作られてもらったものと言うことですが、残念ながら製作者はもう亡くなられていると言うことです。近所の何件かの店にあるようで、ちょっと離れたイモの資料館にもあると伺いました。                                                             2001年10月取材

   芋せんべい「隆清堂」 川越市久保町3−17

  <訂正> 後ほどいもを抱えた招き猫は張り子であることが判明しました。詳細は下の「道灌」の招き猫で。  (2004年5月22日)


起のウィンドー猫
 これはかなり以前に撮影した物件です。

 この招き猫は愛知県の起土人形の中島一夫さんのお宅を訪ねる途中で見かけたショーウィンドウに置いてあった(置き去りになっている)ネコです。もうお役を終えても、まだけなげにお客を招いています。すすけた姿は哀愁を帯びています。日差しにさらされていたわりには耳など彩色はしっかりしています。今になって気がついたのですが、耳にまいているのは何だろう。
     
                                                     撮影 1999年4月1日

鎌倉小町猫
 鎌倉の小町通りにある寿ビルの入り口にいる招き猫。御影石でできたこの大きな猫は穏やかな顔つきで日本製ではないかと思います。前には漫画のフクちゃんの焼き印の入ったますが3つ置いてあり、年間に万単位のお金を集める働き者。集まったお金は寄付されているということです。頭や鼻先、左手は撫でられて光ってきています。なお、下の2枚の写真は撮影時期が異なります。左下はクリスマスの時期で飾りが付いています。

  
寿名店ビル前の御影石招き猫

川越 和菓子の「道灌」の招き猫
 先に川越の「隆清堂」の招き猫を紹介しましたが、同じ川越市内の和菓子店で同じ招き猫を見かけました。ちょうど1週間前に仕事の下見で出かけたときに見かけたもので、そのときは寄ることができませんでした。しかし一昨日再び仕事で行ったついでに立ち寄って、手にとって見せてもらうことができました。
 その和菓子店は川越市立博物館の近くにある「道灌」です。このあたりは区画整理か道路拡張をおこなっているようでこの和菓子店もまわりの民家同様に新築されていますが、創業は大正時代です。「道灌」とは近くにある川越城(現在は本丸御殿のみ残る)を上杉氏の命により築城した太田道灌の名にちなんでいます。
 
 この招き猫は持ってみると明らかに張り子であることがわかります。手の形は複雑であるため、後付かもしれません。白い色は胡粉ではなくエナメル塗料のような質感です。まさに先の「隆清堂」のご主人の言葉どおり『張りぼて』という表現がぴったりです。後ろ姿は高崎風ですが、正面から見た後ろ足はなぜか人間のしゃがみ方に似ています。制作者は岡田さんという方ですでに亡くなられていると言うことです。裏面を見ると「川越招猫 平成拾年新春 たかひろ作」と銘があります。この作者の「岡田たかひろ」さんはごく最近亡くなられたことになります。
 市販してもいいような出来のこの招き猫。はたして何体くらい制作されたのでしょうか。また岡田さんという方はどのような方だったのでしょうか。興味は尽きません。やはりサツマイモ資料館へ行ってみる必要がありそうです。       (2004年5月23日)

    川越郷菓「道灌」 川越市廓町2−11−3

    

     
 裏の銘
  
顔のアップ   ざるの部分