2005年 第11回来る福招き猫まつり in 伊勢  (2005年9月17日)

 伊勢の招き猫まつりも11回目を迎えます。第2回目から参加していますので今年で10回目の参加になります。今年のテーマは『おかげ参りに猫見遊山』だそうです。9月17日9時29分のスタートに間に合わせるために今回も深夜長距離バスでの出発となりました。目的の全国郷土玩具展(即売会)の中野土人形は年々競争が高まっているのでいつもより1時間程早いバスの便を予約しました。

 さて予定どおりいつもより早めに販売場所に到着すると常連のSさんはまだ来ていません。どうも順番待ちのような方が2名離れた場所に座っています。となれば順番は3番ということでかなり選択に余裕がありそうです。10分もするとこれまた常連のHさん、そしてSさんがやってきました。Sさんから情報を聞くと昨年よりかなり数は多そうです。そうこうしているうちにだんだん人が増えてきます。中野ひな市に比べれば列とはいえないような人数ですが、それでももう10人は超えています。9時になってSさんの一声でみんな順番に並ぶことになりました。混乱を避けるためです。中野ひな市ではよくある光景でした。早く来ていた2人組はやはりトップです。この「ねこれくと」を見てくれている方だそうです。でも、こちらから名乗りもしないのにわかってしまうというのは招き猫臭が漂っているのかな?

 車で来ていたころは夜のうちに着いていたので、夜や早朝に散歩していたのですが、最近はバスなので到着してすぐ並ぶという状態が続いていました。今回は1本速いバス便なのでけっこう余裕があります。まだ準備を始めていない会場を散歩しているといろいろな発見があります。
 吉兆亭の軒先には招き猫がずらりと並んでいます。ふだんは周りの招き猫に埋もれて気づきにくかったのですが、戸が閉まっていると目立ちます。しかも置いてあるだけで持って行こうとすれば持ち去れるのですが大丈夫なのでしょうか?縁起物だけに持ち去る人もいないのでしょうか?格子の向こうで招いている招き猫もいます。まさに昔の遊郭といった雰囲気です。

 楽市もやっと準備を始めた段階で周辺もひっそりしています。瀬戸で見かけた客寄せの手作り張子2体のうち左手上げが出張できていました。どうもこの製陶所の所有物のようです。

 まだひっそりしている「おかげ横町」  軒下の招き猫  ベンガラ格子ならまさに「寝子」
楽市準備中 7時台はこんな状態でも、始まれば・・・ 瀬戸から出張「大福市」


 だんだん販売時間の9:20が近づいてきます。それと共に気になる情報が耳に入ってきます。「3体しかないようだ」「まだ品物が到着していないようだ」「みんな何を目的に並んでいるかわかっているのだから、数がないのなら教えるだろう」など不安な情報ばかりです。そして販売時間になりました。覆われていたブルーシートがはずされます。

「ない!!」

                  

 やっぱり噂どおり中野土人形がない!正確にはあるのですが4体のみ。しかも状態がよくない!何とまだ品物が到着していないのだ。何たることか!出ていた品は昨年のものなのだとのことです(どうして残っていたかは憶測の範囲なのでここではふれない!)。早くから並んでいる人たちは皆その1体に的を絞って来ているというのに。
 出品されているものをいったん手にしましたが、あまりの保存状態の悪さに今年は入手をあきらめ、奈良さんの作品を手に入れることができず帰るということになってしまいました・・・・。残念・・・。
 (ここら辺の現地での細かいやりとりは差し障りがある部分もあるので省略) 届いていない理由を裏情報で聞くといかにも奈良さんらしい理由だったのですが。

 この全国郷土玩具招き猫展(即売会)は伊勢会場のメインになるものでしたが、最近はだんだん規模が小さくなり残念な限りです。復活した禰宜田さんの大浜土人形が加わった以外は出品者の数も作品数も大幅に減っています。

 うちひしがれて,、さあ、これからどうする。まだ昼食には早いので伊勢参拝(という程信心深くないのですが・・)となりました。いつもと異なりいろいろな神事をおこなっています。警備の方に伺うと今年は遷宮の8年前にあたり、遷宮に向けてのいろいろな行事がおこなわれるのだとのことです。

 さて、おかげ横町付近では参拝帰りのお客さんの増えてきており、幼稚園の園児による招き猫御輿や招き猫山車の巡行をおこなっていました。もしかすると初めて見るのかな?これも定番となっている春日部張子のブースには俊介さんが座っていました。

 太鼓櫓の下では「にゃんちろりん 総踊り」をやっています。一般の方も半被を借りて参加していました。「猫舞い」はやらないのか聞いてみたのですが、やらないとの返事で、どうも来年以降もやりそうもないという残念な返答でした。なくなってみるとぜひビデオに収めておきたかった『猫舞い』でした。毎年作られる猫頭を楽しみにしていたのに・・・。

 会場のあちこちに立つ案内板  招き猫山車巡行  お願い招き猫と招き猫供養
おなじみ「もりわじん」のおみくじ  招き猫現代作家展はこの2階  いつも人気のスタンプラリー
招き江戸凧 五十嵐さんの店、俊介さんが座っていた 春日部張子の絵付け教室
写真撮影用に半被を貸してくれる 招き猫山車は人気者 特製メニュー一覧
にゃんちろりん 総踊り

 全国から応募された第2回来る福絵手紙展は自分にとっては昨年の方が好きな作品が多かったように思います。その中では「伝統文化親から子へ」が好きかな。なお、昨年の大福賞受賞作品は写真付き切手になってシート販売(80円切手かける10枚:1500円也)されていました。

   
これが好きだな! 昨年の受賞作写真付き切手

こちらは楽市です。少し去年より出店が少なく残念です。前・後半の三連休で出店するので後半だけという人もいるのだろうか。まつり目的で来る瀬戸と違い、伊勢は伊勢神宮参拝客が流れてくるので楽市前のおはらい横町メインストリート(旧藪の世古)は朝からかなりの人出です。
 世古については伊勢市観光協会のものしり情報を参照して下さい。   

 人が少ない時をねらっても撮ってもこの状態

 今年のいちばんの見ものは毎年徳力冨吉郎版画館で開催されている招き猫特別展示です。地味な催しですが毎回楽しませてくれます。特に今年は江戸時代に招き猫があったとはっきりわかる版画です。これは(財)日本浮世絵博物館所蔵の広重作のものです。今戸の丸〆招き猫を売る屋台にはっきりと招き猫が何匹も描かれています。しかもその屋台の上はすべて招き猫です。かごに入っている猫も含めると挙げている手は左右両方あります。しかも屋台の屋根には丸〆の文字がはっきり入っています。「丸〆猫」専門の屋台なのです。制作は嘉永5年(1852年)で、招き猫の記載で有名な『武江年表』の嘉永5年の項に今戸焼きの丸〆招き猫ブームの記載があるというのですから、まさにそれと一致します。よほど流行ったのでしょう。
 実物は保護のため照明を落とし、撮影禁止になっています。拡大複写したものも残念ながら著作権の問題で撮影は不可ということでした。どなたか招き猫本で紹介してもらえないだろうか。

 ということで今年の伊勢招き猫まつりは招き猫を1匹も入手せずに帰ることになりました。

 昨年の10年目の節目を過ぎ、今年からまた新たな一歩を歩み出した伊勢の招き猫まつりですが、参加していて気になることもあります。初期のころは招き猫ファンが手作りでやっていた感がありますが、最近はどうもイベント化してきたような気がします。関わっている人たちもアルバイトなど招き猫に直接関係のない人たちが多いため、招き猫ファンとしてはちょっと物足りなさが残ります。特に全国郷土玩具招き猫展の衰退は目を覆うばかりです。確かに制作者が亡くなったり、高齢化で作品が集まらなくなっているでしょうけれど、原因はそれ以外にもありそうです。だいたい直前になって作品が届いていない時、制作者に問い合わせをしないなんて信じられません。伊勢会場も瀬戸会場もこれからまつりの発展に向け、今正念場を迎えているような気がします。


これも記録に留めておこう

 さて、せっかく伊勢まで来たのですから、ちょっと寄り道して、「愛知万博」です。しかし、事前に交通手段は調べたのですが、パビリオンなどはまったくわからない状態でのいつもながらの行き当たりばったりの見学です。次に日本で開かれる(かもしれない)万博の時には生きているかどうかもわからないので、とりあえず行くだけでよしとしよう。
 現地に着くとすでに午後5時を回っていました。日も傾き見学にはもってこいです。人気パビリオンは避けて空いていそうなところを集中して見て回ります。目立たない館もじっくり見るとなかなかおもしろいのです。残念ながらほとんどの館が9時で閉館となります。でも現地の人がつくり食事も食べたし、夜の約5時間程の見学は適度な疲れでちょうどよかったかな。最後にオーストラリア館の前で演奏するオージーバンドの曲に合わせて手拍子をして今回の万博見学は終了となりました。明日の早朝はもう東京だ。

『大地の塔』
上の方に見える顔は
心霊写真ではありません!
私です!
グローバル・ループより
「長久手日本館」を臨む
エチオピア館の「ルーシー」。
レプリカだろうけど文化祭のような
小さな展示ブースにさりげなく置いてある。