加州猫寺 その10    2004年4月19日

 久しぶりの更新です。その後なかなか金沢の図書館へ行く時間もなく、調査も停滞気味になっています。そのような中で富山土人形に面白いものが出てきました。残念ながら私の所蔵品ではありませんが、よくメールをいただく九州のHさんから最近こんな招き猫を手に入れましたと写真を送っていただきました。
 猫の首玉の右側にある大きな金の鈴。顔つき。まさにあの加州猫寺の古作と同じような顔つきです。おそらく同じ制作者あるいは関係者ではないかと思われます。金沢の骨董屋から出たもので、高さは22cmとのこと。
 同じ制作者による富山土人形だとすると、先にこれがあって加州猫の原型になったのか、加州猫寺の招き猫を作ってからこの手の招き猫を制作し始めたのか興味がわくところです。もっともこのような原型があってそれを加州猫に流用したと考える方が自然だとは思います。
 富山土人形に関する文献を読んでいますが、昨年亡くなられた富山土人形の最後の作者、渡辺信秀さんの流れをくむものかどうかは残念ながらわかりません。なかなか人物の土人形と異なり、資料が少ないこともあり目などの特徴の比較が難しいのが現状です。

 なお、これらの写真は所有者である九州のHさんの撮影によるもので、本HPに掲載の許可を得て使わせていただいています。