北海道の招き猫11 2007年版

 このシリーズも11回を迎えました。もっとも最初のころはひと夏分を2回に分けて掲載したりしているので実質的には9シーズン目となる。そろそろネタも尽きかけてきたような気もするのだが、そこはどっこいけっこう新ネタが出てくるものである。まだまだネタ探しの旅は続けられそうである。


1 大沼公園駅前の食堂の招き猫
 流山温泉へ行った帰りに大沼公園駅前通りで見かけた、御影石の招き猫。ごく一般的な招き猫だが、顔は日本風。奥にアヒル(カッパ?)もいる。

          
            しっかりした石の台座に乗っている

2 八雲町の招き猫
 国道5号線沿いの八雲町にある招き猫は今年も変わっていなかった。たぶんこのシルエットのまま落ちついてしまうのだろう。白い招き猫をよく見ると元の招き猫の図案がうすら透けて見える。きっと最初は招き猫を描くつもりだったのだろう。すっかりフェンスの模様と化してしまった招き猫だが、はたしてパッと見て招き猫とわかる人はどれくらいいるだろうか。通りがかりに見て、招き猫と気付く人はきっと大の猫好きに違いない。

 今年も変わりなし  かすかにもとの招き猫が見える

 ところで飼い主のシンオシマとはどのような会社なのだろうか。以前は引っかからなかったインターネット検索にも用意にかかるようになってきた。HP上から抜粋すると

会社概要
商号  株式会社 シンオシマ
本社  北海道亀田郡七飯町
創業  昭和45年8月
事業内容  土木工事に関する監理、施工
土木工事  道路、橋梁、農業、港湾、河川、上下水道、その他
支社・本店・支店  八雲支社・月形本店・札幌支店

社歴抜粋
昭和45年 山越郡八雲町で岡島建設を創業
昭和47年 岡島建設株式会社設立
昭和54年 現八雲支社住所に新社屋落成
平成4年 アスファルト合材プラント落成
平成10年 株式会社大竹組と合併、株式会社シンオシマに社名変更。七飯支店開設
平成13年 鈴木建設株式会社と合併、月形支店を開設
平成17年 株式会社シンオシマ商事設立  本社を七飯に移転。

となっています。初めて見かけたのが1999年(平成11年)なので合併して「シンオシマ」に社名が変わった翌年です。初見の平成11年にはすでにフェンスの下地は退色していた(赤は退色しやすいが)ので、前身の岡島建設時代からあったのかもしれません。もしかすると新社屋を建てた昭和54年(1979年)か、プラント落成の平成4年(1992年)あたりの作だったかもしれません。しかし、それまで前を通過していても気がつかなかったことを考えると合併後とも考えられます(夜に通過することが多かったので気がつかなかったのかも)。
 ねこれくとに地図をリンクさせるため、八雲支店の住所を入力すると場所がまったく違います。どうもこの住所は事務所の社屋がある場所でアスファルトのプラントのある現場とは異なるようです。そう考えるとかつてのフェンスにあった招き猫は平成4年(1992年)のアスファルト合材プラント落成に合わせてつくられたと考えるのが退色の具合から考えても合理的です。

   場所はこのあたり
        
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3 札幌ソフトバンクの招き猫
 中山峠を下り、国道230号線で札幌市内に入り、かなり中心街に近づいたところにあったソフトバンクの携帯電話店舗で客を招いていた。巨大なエア注入式の招き猫で2匹仲良く招いている。車中から撮影したが、走り出して店内を見ると窓際に小さめのやはりエア式の招き猫がたくさん並んでいた。招き猫満載のショップはソフトバンクの中でもここだけだろう。販売促進のディスプレーなので、ある程度の期間で撤去されてしまうだろう。帰りに寄ってみようと思ったが、残念ながら寄っている時間がなかった。

      
      巨大な2匹以外に中に小猫がたくさんいた。

4 最北の招き猫
 稚内の宗谷岬に生息している最北の招き猫に挨拶に行くのもふだんの定番コースとなっている。青い外観の土産物店「流氷館」がその生息地。しかし・・・、外観は変わらないのに、店内が新装されていた。壁なども塗り替えられ、やけにすっきりしている。そして、あの招き猫がいるべき所にいない!店内をまわったが、いる気配はなかった。今思えばどうしたのか聞いてみればよかった。テグスのヒゲは折れ、けっこう年季が入っていただけに処分された可能性がある。

  
 外観は変わらないが・・・   ここにあったはずなのに・・・
  写真は昨年の最後の姿

 そうなると、最北の招き猫はどこにいる。近所の土産物店をのぞいてみた。おみやげとして売られている招き猫はいるが、働いている招き猫はついに見つからなかった。食堂は外からのぞいただけで入って確認していないが、はたして最北の招き猫はどこのどんな招き猫なのだろうか。

  中央の青い建物が「流氷館」、次なる最北の招き猫はここのどこかにいるのだろうか。

5 稚内市松森商店の招き猫
 最北の書店、雲母書店がない!昨年開店したばかりなのに。稚内在住のトロッコスタッフによればいろいろ複雑な理由があるようで、昨秋突然閉店したのだそうだ。稚内のような規模の都市としては画期的な品揃えで、明るくきれいな店舗だったのに。昨年開店してまもなく、「猫びより」を買っただけで閉店してしまった。これで高森商店の招き猫の移住も消えてしまった。

  
  ↑雲母(きらら)書店跡地 
  
                        昨年の様子      ↑開店したばかりの昨年の雲母書店

 当の高森商店はというとシャッターが閉じられ中の様子はわからなかった。招き猫はきっとまだ取り残されているのではないだろうか。


6 美深町内、井上食堂の招き猫

 今年もお世話になった。2003年に通い始めて、ここ3年「夕食を食べる場」に完全になってしまった。最近は食事を作る道具さえ持って行っていない。今年も美深在住中、間に合わない一日をのぞいてすべて井上食堂で夕食を食べた。
 昭和31年創業という井上食堂の看板招き猫がない。じゃまなのでどこかに置いてあるのかとマスターに聞くと何とマスターもなくなっていることに気がついていなかった。
 ソフトクリームが口コミやテレビで紹介されるなど美深の隠れた名所になっている井上食堂だが、客の中には店の備品を持って行ってしまう不心得者がいるのだそうだ。小型の扇風機までバックに入れて持って行かれてしまうのだそうだ。そこで店内には監視用のミラーまで着いているがそこは手薄なためなかなか盗難を防ぐところまで入っていないようだ。座布団もないところをみると、本体だけでなく座布団ごと持って行かれたようだ。
 昭和中期でかなり時代物の招き猫だが残念ながら今は誘拐されてもういない。どこでどんな暮らしをしているのだろうか。

   
 ここにあったはずなのに・・・    在りし日の、井上食堂の招き猫


 来年忘れなかったら1匹持って行くことにしよう。


7 鹿追町の「花ねこパン屋」の看板招き猫

 花ねこパン屋    トレードマークの花猫

 時間が早かったので久しぶりに鹿追町の街中を走ってみた。鹿追町にはりっぱな「神田日勝記念美術館」がある。道の駅でゆっくりし、国道274を走っていると「猫パン」の表示が目にとまった。思わず路肩に停まってみるとそこは「花ねこパン屋」という自家製パン屋だった。よく見ると表に看板が出ている。しっかり招いている。オレンジ色の黒猫?が左手に花を持って招いている。残念ながら店は閉まっており、あとから調べると定休日だったようだ。今度立ち寄ったときはパンを買うことにしよう。
 店は道の駅から国道274号線を士幌方面に向かっていくと右側にある。

            花ねこパン屋
    鹿追町栄町1丁目18番地
 営業時間 AM10:00〜18:00
 定休日 月・火曜日 

8 帯広のグルーミングの招き猫?
 士幌町を過ぎたあたりで眠くなったので休憩し、前日買った「猫びより」を見ていると、帯広にある猫雑貨の店が紹介されていた。20km程度しか離れていない。これは行くしかないと思い、直行する。途中で道を間違えバイパスに入ってしまったため、思いがけず店の近くにたどり着いてしまった。
 いるいる黒猫が招いている。店の壁(屋根)にも猫がいる。ここのオリジナルキャラクターの黒猫いいな。あちこち出迎えてくれている。入り口から猫だらけ。

 招き猫ではないらしい
 黒猫がお出迎え  これは売り物ではありません
 いただいてきた名刺

 店内も猫だらけ。北海道ではなかなかまとまって猫製品が取りそろえてあるところはないのではないだろうか。よく見かける定番商品からオリジナル製品まで品揃えも豊富。
 猫製品を全般的に取り扱っているのでその中で招き猫の占める割合は少ない。それでも縁起物を求める方のために招き猫は準備されている。招き猫まつりでもお馴染みの播丸工房や猫どんのストラップもそろっている。
 やはりオリジナルのとぼけた黒猫がいい。招いているように見えた姿は店長さんによれば「ぺろぺろしている」のだそうだ。店名になっているいわゆるグルーミングである。手作りでいろいろなパターンがあるので品切れしているときもあるようだ。だいたい店に展示してあるのが現品ということのようだ。注文すれば向きは左右どちらも相談に応じてくれるようだ。

 店内猫だらけ
 オリジナルの黒猫製品がいい  ここにもいる  これもオリジナル商品
 現物が多い。これも商品か?  「猫どん」のストラップ  播丸さんのストラップ
   
 玄関に置くWelcomeボードにいい

 奥にある小部屋も落ちついていていい。壁に掛けられ売りに出されていた板絵のアートフレームはひじょうに安い。言葉に好きなものがあれば購入したのだが。
 壁の一角には猫の写真がいっぱい貼ってある。HPをみるとどうも「猫自慢コーナー」らしい。

   
           この小部屋は照明を落として落ちついた雰囲気
   
      お客さんから届いた写真かな?  

 今回はオリジナル黒猫製品を2点購入してきたが、とことこ歩く黒猫ボードもいいのでこれは来年の課題にすることにした。

 自宅でパネルはリビングのドアの上に張り付いてもらった。ペーパーホルダーはトイレでトイレットペーパーホルダーになった。

  
                        自宅でこんな感じで使っています

      グルーミング                       
      所在地  帯広市西18条南3丁目25 (白樺通り)    
      TEL・FAX  0155(41)2228
      営業時間 11:00〜19:00
      定休日 毎週月曜日(祝・祭日・振替休日は営業)
               


9 ウトロの生招き猫
 オシンコシン館の「オシン・ノラ」

 けっこう有名になり、雑誌やネット上などいろいろなところで見かける。残念ながら会いに行った8月23日は朝から山に修行に入っていなかった。しかたがないので店内にあるノラ君関連の写真を撮り、今年登場した「オシン・ノラ ストラップ」を買って、店員の方にいろいろ質問していると、ノラ君の生写真と販売促進用にパウチしたノラ君のイラストをもらってしまった。これは販売されている「ねこ額」の絵と同じものだ。

 売店  オシン・ノラ ストラップ  販売促進ディスプレー

 3日後の8月26日、ノラ君を見るためだけに知床まで出かけた。「いた!」。観光客がいようと行き倒れのように横倒しになって人通りの多いところで寝ている。

 行き倒れではない  さわられ放題  
 抱かれ放題  「迷惑なんだよな〜」  「これも商売とあきらめるか・・・」
 宣伝用のこんなものをもらってしまいました  オシン・ノラ ストラップ 買ってしまった
 ピンクの紐もある
 ねこ額  買ってしまった
 今ではめずらしいアクリルではないガラス入り


  生招き猫「オシン・ノラ」に会える場所
     斜里町ウトロ西 「オシンコシン館」 (オシンコシンの滝の駐車場にある売店)。冬期は閉鎖されるらしい。
     ノラ君は不定休。たまに修行に山に入ってもどってこない。


10 釧路の応援招き猫

 幣舞橋の南橋詰め、ロータリー脇にある「道東経済センタービル」前にあった、経営支援推進ポスター。「会社を作りたい」「マーケティングを強化したい」「ITを使いこなしたい」などの文字が並んでいる。釧路地域での創業や経営に関しての相談や支援をおこなっているようだ。さてこの応援招き猫、街の中心部が寂しくなっている釧路市に活気を招くことはできるのか。

   
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11 釧路のクリーニング猫                   
 釧路市内の久寿里橋通りの城山にあるクリーニング店「ロリエ」のシャッターに描かれた、はたらく招き猫。タヌキではない!
 かつてこの店の正面にあるコインランドリーを利用していたが、何年か前から閉店してしまったのと、釧路市内の活動拠点が桜湯やポスフールのある   側になってしまい、城山方面はあまり行かなくなってしまった。今回、夜に道を間違えた結果、偶然にも見つけてしまった。クリーニング店のシャッターに描かれている招き猫で手にしているのはアイロン。しかし、早い時間なのにシャッターが下りている。気になり翌日も行ってみたが、やはり午後7時前なのにしまっている。「廃業してしまったのだろうか?」不安がよぎる。そういえば向かいのコインランドリーの近くにはかつて銭湯があったはずだがこれもない。心配だ。
 美深へ向かうため、釧路を離れる最終日の昼にもう一度尋ねていくと、「やってました!」、忙しそうに仕事をしてる。これで一安心。シャッターに描かれているので営業中は見ることはできないが、全国にはこの手のシャッター絵が結構あるかもしれない。招き猫シャッター絵は招き猫のひとつの調査分野として成立するかもしれない。
 後日、インターネットで調べてみたら、閉店時間が早いことがわかった。また、北大通り店もある。毎年近くには行っているので、こちらも来年偵察に行かなくては。

     クリーニングロリエ城山店    釧路市住吉2-4-1
     定休日:毎週水曜    営業時間: 平日・土曜:8時〜18時・日祝日:9時〜17時30分                                                                          


12 白糠のカミパラ「パラ吉」
 今年も9月のイベントに向け、元気なポスターが協賛店に貼ってあった。街中を歩いていると大久保商店という酒屋で紫蘇ラムネの張り紙を見つけた。先日、東藻琴で紫蘇入り白樺樹液を入手したが、これもほしくなった。1本150円で青じそ・赤じそ各3本ずつ入手。ついでにどこかでカミパラのポスターが手に入らないか聞いてみたが、協賛店にも1枚ずつしか配られないのだそうだ。「終われば捨ててしまうのにね」と残念な返事。店を出ると、先ほどの店から声がかかった。「古いものでよければ」と何枚か昔のポスターを持ってきてくれた。昨年のものよりさらに古いポスターだ。ありがたくいただく。あとで見ると9回(2001)、11回(2003)、12回(2004)の3枚で、その変遷がわかる。12回はオリンピックの年ですね。11回のポスターを見ると、現在ポスターに現れているキャラクターが登場しています。「どっちもおじさん」、「ぽらろいどまん」、「じゃんけんおじさん」、「ろびんたいがー」などは今年のポスターにも登場しています。この猫キャラの名前は9回のポスターから「パラ吉」だということがわかる。さて、来年はどんなポスターができるだろうか?

 古いポスターをいただいた大久保商店  ありがとうございました 今年の第15回「カミパラ」ポスター
 (画像をクリックすると拡大します)
 ポスターの中にはしっかり紫蘇ラムネも  こんなのもらっちゃいました
         
    9回(2001)  拡大する     11回(2003) 拡大する  12回(2004) 拡大する
       去年(14回2006)のポスター
    これは9回の拡大ですね


13 釧路の招き猫イルミネーションがあった場所

今回コンピュータを持って行ったので、釧路で以前招き猫のイルミネーションがあるところを再検証してみた。やはり場所は大通り8条目付近で間違いない。後ろのビルの窓枠は変わっていない。後ろの変圧器が乗っている電柱にかかっていたことがわかる。かつては映画館やゲームセンターが入ったビルがあり賑やかな一角だったが、今はひっそりして多くのビルはシャッターが閉まっている。かつてのイルミネーションの反対側にある電柱ではのぼりに描かれた親子猫が花火を見上げていた。    のぼりの親子猫


14 その他の招き猫の消息

中標津の(株)CREAの招き猫
 痛みが激しい。パネルディスプレーが専門の会社だけに近々新装か?
 中標津のラーメン屋「味てんぐの招き猫
 弟子屈方面からは木で見づらいが健在
 美深市内の招き猫
  美深市街の国道40号沿いにある長谷川石材工業の展示場で健在


 今年度はここまで。