=^・^=今年もやっぱり中野ひな市へ行ってしまった  2003年3月31日

 昨年から土人形の購入が抽選方式になってしまい、行っても買えるかどうかわからないので今年はどうしようかと考えていたのですが、やはり行ってしまいました。
 昨年は販売日が休日だったためひじょうに多くの人達が列び、抽選の倍率も4倍ほどになってしまいました。今年は3月31日の午前8時までに列んだものが予備抽選なしで本抽選となりました。列んだ人数は480人ほどだったので倍率は約2倍ほどです。奈良さんの作品を手に入れようとすると入場番号は二桁出ないと無理です。ところが今年は何と6番を引いてしまいました。6番というと第1グループです。これなもう招き猫どころではありません。以前の先着順ならがんばれば1グループか2グループで入場できたのですが、抽選となると運まかせなので、こんなチャンスは二度とないかもしれません。どうしても大物ねらいに走ってしまいます。
 9時からの入場になりますが、全員抽選を終わらないと購入者が決まらないので入場できません。1グループとなると人気の「ふぐ乗り大黒」も夢ではありません。いよいよ1グループの入場。しかし・・・、平静を装ってゆっくり歩いたのが第一の敗因、そして一瞬の迷いが第二の敗因でした。一瞬、猫はないか?そしてさらに金太郎に目がいってしまいました。結局、今回は歌舞伎物の「政岡」購入となりました。
 購入後、まわりを見渡すと今年は奈良さんの招き猫は「猫子守り」1体のみで昨年のような扇持ち黒招き猫はありませんでした。しいていえば達磨の前に小さな招き猫の付いたものも招き猫物といえるかもしれませんが、招き猫ファンとしてはちょっと物足りません。猫つぐらも今年はありません。西原さんも今年は招き猫の小を1体出品しているのみでした。
 ひな市はふたを開けてみなければ目的のものがあるかどうかわかりません(マニアの人達は事前情報を入手しているようですが)。せっかくいい順番を手に入れても欲しい物があるとは限りません。そこがおもしろいのですが・・・・。
 でもこの抽選方式は常連さんには評判がよくありません。家族できていればチャンスも増えますが、一人ではあたるかはずれるかの2つに1つです。努力のしようがありません。遠距離の方ははたして減少しているのでしょうか。気になるところです。

※あるホームページで抽選券の当たりくじに、購入できる土人形が指定されている(記入されている)と書かれていましたが、それはなかったと思います。少なくとも私の知っている方(奈良さんの追っかけファンも含め)にそのような方はいませんでしたし、そのような情報も聞いていません。また最後の購入者まで番号で区切って入場させていました。

↑これでもかなり抽選が進んだ状態

抽選風景   招き猫は猫子守り一品のみ
これも招き猫物といえるか   マニア好みの一品   =^・^=の入手品「政岡」

 商工会議所の中の争奪戦が表の会場なら、裏の銀行の駐車場で繰り広げられる全国土人形頒布会のバトルはまさに裏の会場です。特に今年は頒布会10年目で品数も多かったようです。こちらも人気のある人形は8時台から行列ができています。とにかくこれはと思うもの一つに絞りそれに集中するしかありません。あとは残りの中に自分の欲しいものがあれば拾っていくという感じです。欲しい物が2ヶ所以上にあるときはどちらが残りそうかその判断が勝負を決めます。
 そして10年目の特別企画として土人形作家10名によるサイン会も開かれました。=^・^=は古型博多人形の招き猫土鈴に作者の中ノ子勝美さんにサインをしてもらいました。ついでに中ノ子さんが持参してきた色紙もねだっていただいてしまいました。

実演中の奈良さん   平日でも祭でにぎわう通り   町中に自慢の人形が列ぶ
小古井宅の会場   花巻土人形復活   長浜土人形

 以前にも紹介したように、店のショーウィンドウには自慢の中野土人形が展示されますが、毎回公開しているとは限りませんが、もし公開していたら小古井嘉幸さん(商工会議所のならび)の自宅の展示を見学させていただくとよいでしょう。招き猫はあまりありませんが、1500点あまりの新旧中野土人形を見ることができます。
 今年も陣屋の近くの土人形工房では奈良さんが実演をおこなっていました。そうはいっても朝まで制作されていた(人形は作り置いてあるのではない!即売会に間に合うかどうかのまさに綱渡りなのです)というので、お疲れのようですが、人形の絵付けの顔書きを頼まれると奈良さんはこころよく引き受けていました。なんでもこの時期は訪ねてくる人が多く家にいても仕事にならないのだそうです。
 お会いしたついでで申し訳なかったのですが、昨年の雛市レポートで書いた小布施の資料館にある謎の招き猫ですが、「見たことないな、うちのではなさそうだ」ということでした。飾り猫はあきらかに奈良家のものだそうです。そういえばある郷土玩具を扱っている業者が初めてみる中野の招き猫が出たという話をしていたのを聞いたことがあります。今度この写真を持っていって同じものかどうか確かめてみたいと思います。

サイン会の土人形作家さんたち
 中ノ子さんが書いているのは=^・^=の招き猫土鈴。

古型博多人形の中ノ子勝美さん 堤人形の芳賀強さん
中湯川人形の青柳守彦さん 下川原人形の高谷信夫さん 乙川人形の杉浦實さんと
初瀬出雲人形の水野さん
相良人形の相良隆さんと
三次人形の丸本たかしさん(奥)
山口人形の今井伝三さん 出雲人形の高橋孝市さん

 毎年、陣屋跡で特別展がひらかれます。今年は土鈴研究家の石山邦子さんのコレクションからの『土の鈴展』です。展示だけではなく古い土鈴の頒布(すぐ売り切れてしまった)や展示を見てクイズに答えると土鈴がもらえる企画もありました。また別室では野田末吉の土鈴を中心とする展示もありました。ここでは毎年企画を変え特別展示をおこなっています。
                

土人形資料館の展示

 今まで紹介したことがありませんでしたが、中野の市街地を見下ろす小高い山の上に日本土人形資料館があります。中野の奈良さんと西原さんの作品展示と同時に全国の土人形の展示もおこなっています。また毎年企画展もおこなっています。
 機動力を持っていないとちょっと疲れますが、一度は見学しておくとよいでしょう。
     日本土人形資料館   中野市大字中野1150    0269−26−0730
        開館時間   3月から11月   9:00〜17:00
                12月から 2月  10:00〜16:00
        休館日  毎木曜  年末年始
        入館料  一般200円  高校生100円 中学生以下・70歳以上無料

日本土人形資料館   中野市街を見下ろす
←見学に訪れ、
奈良さんと西原さんの
制作過程のパネルを見る
土人形作家さん達

 今年でくじ運を使い果たしてしまったような気がするのですが、2匹目のドジョウをねらって、また抽選の行列に列んでいることでしょう。
                                                     2003年4月19日


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中野ひな市で招き猫を入手する方法(奈良家の土人形を中心に)
 2年前のひな市レポートで紹介しましたが、その後販売方法が変わっています。また日本招猫倶楽部の会報『福の素』にも購入方法を教えて欲しいという記事がありましたので今年の販売方法をもとに紹介しておきます。(一部、2年前に記事と重複します)

 平成14年のひな市から購入方法が抽選方法になりました。場所は中野市商工会議所の前です。昨年は予備抽選をおこないましたが、今年は即、本抽選になりました。
 平成15年の購入方法は午前8時までに並んだ人が抽選の権利を得て、三角くじを引けます。三角くじには「ハズレ」か「購入順位の番号とグループ番号」のかいてある「アタリ」があります。グループ番号とは会場の混乱を避けるため、購入順に一定の人数を時間で区切って入場させる際の順番です。ちなみにトップの第1グループは15人です。
 アタリの場合午前9時の第1グループから10分間の購入時間で入れ替えていきます。全員抽選しないと購入者が決まらないので、抽選に時間がかかると購入開始時刻も遅くなります。招き猫を入手するなら第2グループあたりには入っていたいところです。特にレア物の招き猫だとかなり早い時点で売約済みとなってしまいます。奈良さんのファンだと大物やマニアックなその年の限定品に触手が伸びます。招き猫をはじめ、飾り猫(これは確実に1グループで売約済みとなる)・小猫・猫つぐらなどの猫物も人気が高く、かなり早いグループで売れてしまいます。
 ただし早い番号を引き当てても、招き猫が出品されているかどうかはわかりません。
 ちなみに平成15年の招き猫は「猫子守り」1点のみです。それ以外の猫物も小猫」2体と少し寂しい状態でした。
 平成14年は「布団付き招き猫」2体・「福助扇持ち阿吽黒招き猫(珍品)」2体と「飾り猫」1体・「猫つぐら」3体など猫物は豊富でした。
 最近は奈良さんの作品自体90点前後しか出品されていません。

 奈良さんの招き猫は他で入手できる可能性がありますが、ひな市以外では入手が難しい西原さんの招き猫は抽選方式が変わって、さらに入手困難になってきました。奈良さんより購入順は余裕があります。しかし今年は招き猫(小)1体しか出品されていませんでした。昨年は招き猫(大)1体・(小)2体です。全く出品されていない年もありました。

 購入方法も年によって変わる可能性があるので、ひな市1ヶ月前ころに発表される中野市商工会議所のHPを確認しておく必要があります。
 それ以外に地元の初午などいろいろなお祭りで出品されているようですが、出品数が少なく招き猫が出ているかどうかわかりません。ここでも購入は抽選になっているようです。

・・・・ひな市で土雛を買おうと思っている方へ・・・・
・・・・入場前の準備・・・・
 身軽な動きやすい服装にする。荷物は持たない。整理券を利き手に持つ。小銭を用意する。頭の中に買いたい人形のシルエットをたたき込み、入場後の自分の動きをイメージトレーニングをする。奈良さんの人形は向かって左側にある。

・・・・人形の買い方・・・・
 入場後一瞬の判断で目的のテーブルを見つけ、展示テーブルの最前列を確保する。
 @買いたい人形が見つかったら、購入券を人形の番号や価格の書かれた紙の上に置き、手を絶対に離さない(人形の番号が書かれた紙は2枚重ねになっており、引換券をはずすと「売約済み」の札があらわれる。したがって売約済みの表示がある人形は当然購入できない。また間違っても整理券を置いたまま他に探しに行ったりしない)。すぐにまわりを見渡し、売約済みでない物をチェックし比較する。作品の中にも出来不出来がある。
 A係員を呼び、支払いを済ませ、引換券をもらう。   以上で終了。ゆっくり場内を見学しましょう。ただし10分で次の組と入れ替えになる。
   ※もし他に気に入った物があったら、人形の番号札を手で押さえ、係員を呼び交換してもらう。

※買った人形はすぐには引き取れません。ひな市期間中は展示しておくのが原則です。しかし遠くから買いに来ている人が多いので午後になると遠方の人のみ住所を書いて引き取ることができます。それまではゆっくりといろいろなところを見学に行ったり、作品を見学したりしていましょう。
※なお、即売品は全グループの購入者が入場し、購入した後、自由に見学できます。ただしあまり時間が遅いと持ち帰られてしまい、展示作品が少なくなっています。

・・・・・全国土人形即売会・・・・・
 中野ひな市ではもう一つ裏手の銀行駐車場で全国土人形即売会があり、人気イベントの一つです。招き猫もけっこう出ます。ここも競争が激しい会場です。年によって変わりますが、招き猫では下川原、相良、中湯川、山口、小幡、伏見(大西家・上田家)、清水、稲畑、古賀、古型博多、津屋崎などが出ます。かつては富山、起なども出ていました。これも早い者勝ちで行列ができます。何個でも買えるので後ろの方に並んでいると買われてしまうのではと、気が気でありません。これもいちばん欲しい物にポイントを絞り、後は運が良ければと言う感じにしておいた方が気分も楽でしょう。人形を並べ始めたら、下見は必ず必要です。また早く別の売り場に移動するためにも、小銭を用意して置いた方がよいでしょう。価格は民芸品店などに比べれば安いでしょう。直接作者から買うのと同じ程度の値段です。なお、今年は例年より開始時刻が遅く、12:00からでした。

                                        平成15年4月20日加筆
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