須磨張り子     増補改訂版(2025.02) 

須磨張り子
 種類:紙張り子
 制作地:兵庫県神戸市
 現制作者:吉岡武徳
     吉岡武徳(1942−    )

 吉岡武徳によって1984年より創られ始めた創作張り子。
 張り子に魅せられ、郷土玩具を収集していた義母に贈るために制作を始めた。中学校教師としてはたらく傍ら1984年(昭和59年)より制作を始めた。元々張り子のなかった地域であったが高松や姫路の制作者を訪ねて工夫して形にしていった。型からすべて制作し江戸時代の上質の反故紙を貼って制作されている。干支、雛、招き猫、相撲取りなど自由な発想で非常に種類も多い。面も制作されている。独自性が強いながら高松張り子の影響を受けているという。
 神戸だるまの復元制作も手がけている。  
 ※神戸だるま:高松直系の弟子が神戸で制作した張り子の達磨。達磨以外も制作したが作者没後その娘がわずかに制作したが大正中期には廃絶した。制作者に関しての詳細は不明。武井(1930)の時点でもすでに作者に関してはわからなくなっている。 
                みやげもんコレクション211 神戸だるま (BRUTUS マガジンハウス)

 2024年新春に手紙を出した。返信がないので心配していた。2025年2月になって返事が届いた。体調を崩していたこともあり、また工房であった「張り子館」も閉鎖していたようだ。どうも手紙はそちらに届いていたようである。数は少なくなったが自宅で制作は続行しているという。
 毎年制作している干支張り子も辰(2024)や巳(2025)も健在なので一安心。注文した猫が届いたので追加する。
 閉鎖されていた須磨張り子館は再生プロジェクトによってギャラリーとなり2024年にオープンしているようだ。したがって製作場所も須磨張り子館のあった中央区神戸港地方字再度谷から須磨区に移っている。

 須磨は源氏物語からとられた名で現在は神戸市の須磨区にその名を残す
須磨張り子は1984年(あるいは1985年)に創作活動を始めた新しい張り子
1994年須磨張り子の工房と展示を兼ねた「すま張り子館」を開館させた(現在は閉館)
招き猫以外に干支、お月見うさぎ、お相撲さんなど多くの種類を制作する 
黒猫?    形状はひじょうにシンプル
右手挙げ 裏の彩色なし

右手挙げの黒猫?
赤い首玉に橙色の鈴
黄色い目に黒の瞳
ピンクの鼻、口元・爪
耳の中と口は赤で彩色
背面は彩色されていないので尻尾はなし
この招き猫はもっとも小さい「豆招き」と思われる

高さ51mm×横45mm×奥行32mm 
 底に須磨の墨書き  

                  
 須磨張り子は形状はひじょうに単純な形で表面の彩色によっていろいろな猫を表現している。これは猫以外の張り子にも同じことがいえる。いわば張り子をキャンパスにした絵というような雰囲気の張り子となっている。自由は発想と彩色によりできあがったのが須磨張り子である。したがって同じ張り子はない。

須磨張り子5体  
前列 左から 招き猫小(グレー)、高さ66mm×横50mm×奥行35mm 
         招き猫こ小(トラ)、高さ63mm×横60mm×奥行35mm
         招き猫中(親子)高さ114mm×横85mm×奥行58mm
後列 左から いらっしゃい(両手挙げ)、招き猫大(赤猫)
              
招き猫大(赤猫)
手を高く上げる 左手挙げ
張り子をキャンパスのように猫を描いている 背面の彩色はなし

左手を高く上げた赤猫
横綱のような首玉を付ける
前に「宝」の小判?を抱く
高150mm×横100mm×奥行64mm 


神戸須磨張り子の印を押した紙片が付く  
いらっしゃい(両手挙げ)  
両手を挙げて「いらっしゃい」と招く  
赤い首玉に黄色の鈴 リボンのようなものは首玉の結び目


両手挙げの「いらっしゃい」
福を招くのか、人を招くのか
黒斑の猫に赤い首玉と黄色い鈴が付く
ひげ袋や耳、爪など基本的な部分の彩色は
どの猫も共通する部分がある
古い作品と比べると爪の描き方は変化している

高さ97mm×横91mm×奥行67mm 

神戸須磨張り子の印を押した紙片が付く  




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     ふくのくらし 川西市郷土館=須磨張り個展=  fukunokurashiさんブログ

     harico.futatabi(インスタグラム)  旧須磨張り子館をギャラリーとして改装





参考文献
福の素 49号(日本招猫倶楽部会報、2007)
日本郷土玩具 東の部(武井武雄、1930 地平社書房)
ねこ新聞2024年1月号No.286 (猫新聞社)