花巻人形 (松岡工芸社)    

花巻人形
 種類:土人形
 制作地:岩手県花巻市
 現制作者:廃絶か? (松岡工芸社)
       松岡シズ  松岡敏郎
 
 松岡工芸社で制作していた招き猫。松岡シズが制作をしていた。福の素に紹介された1997年当時松岡シズは健在であったが、すでに制作は義弟の松岡敏郎に移っていた。2023年ストリートビューで見ると松岡工芸社(松岡シズ)のあったところはすでに誰も住んでいないように見える。
 松岡工芸社では土人形の一種である首人形を制作していた。小さな土製の頭だけの人形を串に刺したもので着物などを着せて遊んでいた。かつては花巻人形の照井家などでも首人形(串人形)は制作されていた。
 その他、花巻の金ベコなども作っていた。招き猫の制作をいつごろからおこなっていたかは不明である。

 1997年に工房を訪問しようとしたがカーナビがない時代で地方地図だけでは探し出せなかった。ここで紹介している招き猫はその際花巻駅前のはこざき民芸で購入している。シズさんから敏郎さんへ移行している時期だけにはたしてシズさんの作品なのか敏郎さんの作品であるかは不明である。かなり作品をおろしていたはこざき民芸での購入なのでシズさん制作の在庫の可能性もある。面相や模様の違いなどを検討したが定かではない。
 確たる証拠はないが、招き猫(大)は松岡シズ作、その他は松岡敏郎作ではないかと思っている。

 昭和34年に廃絶した従来の花巻人形は華やかな牡丹、桜、藤、松竹梅などの花があしらわれる作品が多かった。古作の花巻人形の歴史については花巻人形(古作)で扱う予定。

松岡工芸社の花巻人形 
 
招き猫(大)
華やかな彩色のかまど猫 黒の尻尾
右手挙げ 背面の彩色はない
右手挙げの座り招き猫
口のまわりを黒く塗ったかまど猫
赤い首玉に前垂れの型はあるが模様のみ描かれる
前垂れには牡丹や桜?などが描かれ金の鈴がつく
渦巻き模様は何であるか不明
黒・赤・藤色の派手な斑
背面の彩色はない
底には紙が貼られている

高さ210mm×横175mm×奥行130mm
 


うっかりして底紙を破損してしまった
松岡シズの作か?
    優しい顔

 

招き猫(小) 正面向き 
派手な柄のかまど猫 赤い柄にも模様が入る
左手挙げ  背面の彩色なし
招き猫(小)
右手挙げのかまど猫
黒・赤・青の斑
赤い首玉に赤と青の模様の前垂れ
首玉と前垂れには桜?の柄
左脇に金の鈴がつく

高さ110mm×横93mm×奥行65mm
 
彩色は大胆さがある
松岡敏郎の作か?
      


招き猫(小) 上向き 
白猫・黒猫いずれも右手挙げ 白猫には大きく牡丹、黒猫には桜?が描かれる 
首玉は裏面の彩色なし 尻尾は刻はないが白猫は黒で尻尾が描かれる 

招き猫(小)
上向きの顔は人形をのぞき込むと視線が合う
かまど猫には口のまわりを黒く塗ったものと
口の両側とあごの下の三点を黒く塗ったタイプがある
この招き猫は後者のタイプである

高さ105mm×横90mm×奥行65mm

 
白猫の斑には招き猫(大)と同じ藤色が使用されている
黒猫の斑には招き猫(小)と同じ青が使用されている
首玉の柄は白猫・黒猫共通

松岡敏郎の作か?


招き猫 鯛乗り 
右手挙げの招き猫が鯛に乗る
     背面は鯛の尾びれ以外の彩色なし
 
鯛乗り招き猫

白猫のかまど猫が赤い鯛に乗る
この招き猫も口の上とあごの下三点を黒く塗ったタイプのかまど猫である
基本的な彩色は他の招き猫とほぼ同じである


高さ95mm×横115mm×奥行60mm

松岡敏郎の作か?

   


 昭和36年(1961)の年賀切手に 
採用された金ベコ
   









参考文献
招き猫尽くし (荒川千尋・板東寛司、1999 私家版)
福の素12号13号(日本招猫倶楽部会報、1997)
全国郷土玩具ガイド1(畑野栄三、1992 婦女界出版社)
おもちゃ通信200号(平田嘉一、1996 全国郷土玩具友の会近畿支部)
招き猫博覧会(荒川千尋・板東寛二、2001 白石書店)