江戸風鈴の招き猫   現在編集途中版

江戸風鈴
 種類:ガラス細工
 制作地:東京都江戸川区、台東区
 現制作者:  篠原風鈴本舗・篠原まるよし風鈴

 江戸風鈴は江戸時代から続く型を使わず宙吹きガラスで制作される風鈴。内側に画が描かれている。江戸時代にはガラスは高価でガラスを製造する技術にも乏しかった。高級品であったガラス製品が江戸末期から明治にかけて作られるようになると庶民にも広がった。初代篠原篠原又平は明治末に新潟から上京し酒井硝子に弟子入りし、大正4年「篠原硝子工芸社」として独立した。風鈴を制作する工房は戦前までは多かったが、戦時中はほぼ休業に近い状況にまでになってしまった。戦後復活をしたが手間暇かかる風鈴製作工房はだんだん姿を消していった。
 浅草のほおずき市のほおずきや吊りしのぶに付く風鈴はほとんでこの工房の製品だった。昭和40年ころ二代目篠原義治により東京で作られる江戸時代と同じ製法で作られるガラス風鈴を「江戸風鈴」と命名し、商標登録された。また昭和50年代には伝統工芸展がデパートで開催されるようになったが、海外からの安価な製品が多い中で、伝統工芸職人として伝統を守った製品を製作することで信頼を得ていった。
 篠原義治の次男正義は独立し「篠原まるよし風鈴」を開業した。現在江戸風鈴を製作している工房はこの2軒だけである。

 郷土玩具とは言えないが、伝統工芸品であるのでこの図鑑で扱うことにした。現在所有している江戸風鈴は百貨店の伝統工芸展で篠原義治さんから直接購入した作品である。

篠原風鈴本舗      
初代 篠原又平 1891−1970 明治24年−昭和45年  
二代 篠原義治 1924−2021 大正13年−令和3年  
三代 篠原裕 1949−2014 昭和24年−平成26年  
代表 篠原惠美 1954− 昭和29年− 宏の妻
       
二・三代目没後だれが四代目を継いでいるかは不明      
         
独立 篠原まるよし風鈴       
篠原正義 1956− 昭和31年− 篠原義治の次男
  篠原孝通 1988?−   正義の長男
  篠原通宏 1990?−   正義の次男
         

  ※どちらも家族経営に近い形態でそれに弟子が加わり制作されているため詳細は不明な点が多い

 江戸中期に長崎のビードロ師(ガラス職人)が江戸にビードロを伝えた。当時は高級品で庶民には手の届かないものであった。江戸末期には大手のガラス問屋が安価に風鈴の販売を始め庶民にも広がっていった。江戸風鈴の材料はソーダガラスで型を使わず宙に浮かせて膨らます宙吹きで制作されている。口玉の上部は厚く、下部は薄く作り、開口部はきれいに磨かずに擦れることによってガラス特有の音色を作り上げている。ガラス絵の手法で内側に絵が描かれている。以前は女性が絵付けをしていたことが多いようである。現在もアイデアを生かしたいろいろなデザインが考案されている。また工房では体験教室も開催されて江戸風鈴の裾野を広げているようである。


篠原風鈴本舗製
(小丸)

所有する作品が見つかるまでHP上の画像をお借りします
見つかり次第画像を差し替えます
見つかったときは
音色を左右する切り口の画像なども掲載する予定
かなり前に購入したので色は同じだが
この猫とは
デザインが違ったような気がする

高さ   mm×横   mm×奥行   mm


※江戸風鈴の特徴である切り口などの画像も
現物が見つかってからアップする予定
篠原風鈴本舗HPより  






    (有)篠原風鈴本舗HP   
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   TOKYO GIFTS/62 江戸風鈴の伝統を100年以上も守り続ける篠原風鈴本舗 東京都産業労働局
   Sippo 江戸風鈴の招き猫「黒マル」    



参考文献
匠の姿VOL..3 住(水谷充・出山健示、1999 二玄社)
自警1987年9月号(警視庁警務部教養課、1987 自警会)
職業能力開発ジャーナル1985年8月号(厚生労働省職業能力開発局、1985 労務行政研究所)
エルダー:高齢者雇用の総合誌第3巻7号(((財))高年齢者雇用開発協会、1981 高齢・障害者・求職者雇用支援機構)
楽しく学べるヒント教材5(谷川彰英、1990 明治図書出版)
日本の伝統工芸3(日本アートセンター 1985、ぎょうせい)
月刊社会党1995年8月号(1995 日本社会党中央本部機関紙局)
戦後値段史年表 朝日文庫(週刊朝日 1995、朝日新聞社)
コンセンサス1982年7月号(杉崎真 1982、コンセンサス編集部)
Report17巻8号(情報労連運動推進局 2000、情報産業労働組合連合会)
東京の職人(清沢一人・大森幹久 1980、昭文社)
月刊婦人展望1982年7月号((財)婦選会館出版部 1982、市川房枝記念会出版部)
あけぼの1993年9月号(全国電気通信労働組合 1993、全国電気通信労働組合中央本部)
教育じほう1985年7月号(東京都新教育研究会 1985、東京都立教育研究所)
週刊教育資料442号 通巻572号(日本教育新聞社 1995、 教育公論社)
エンプロイ首都圏版1992年1月号(雇用情報センター 1992、雇用情報センター)
発見日本の旅4東京(坪田五雄 1986、暁教育図書)
東京江戸今と昔:歴史細見(桜井正信 1980、八坂書房)
東京下町の昭和史((毎日新聞社 1983、毎日新聞社)
江戸おもちゃ考(酒井健、1980 創拓社)
猫びよりNo.132(季刊ねこびより、2024 辰巳出版) 上記「Sippo」の内容とほぼ同じ

  ※資料を探すといろいろと出てきたが、似たような情報が多かった。