アメリカ日食2017
      2017年アメリカ日食顛末記


8月18日(金)
アメリカに向かって出発

 さて今日から日食ツアーに出発だ。「WEBねこれくと」が始まって1回だけ海外に行ったが、時差がほとんどない上海だった。今回は時差10数時間のアメリカだ。日記の日付をどうするか迷うところだ。

 今夜成田を出発するが、ロサンゼルス着は時間が巻き戻って、同じ日の昼過ぎになってしまう。結局自分の生活した現地時間で書くことにした。
 すでにスーツケースは空港に送ってあるので身軽だ。しかしスーツケースは重量オーバーのはずなので少し身軽にしなくてはならない。空港で重さを量るとやはりオーバーしている。結局金属の塊の微動装置が外に出ることになった。
 預けたスーツケースが荷物検査で引っかかった。リチウムイオン電池が原因だ。取り出して手荷物に入れる。けっこう手荷物が重くなってしまった。

 19時過ぎいよいよアメリカに向けて出発。今回お世話になるのは往復共にシンガポール航空。
 以前に比べるとずいぶん座席に余裕があるような気がする。

 やがて昼間を迎え外は明るくなる。日付変更線を西から東に超えたので日付は元のまま。

 13時過ぎ、LA到着。ここでデルタ航空に乗り換えてソルトレイクシティまで移動する。ここでも手荷物が引っかかった。今度は微動装置だ。まぁ鉄の塊なので爆発物のように見えなくもない。検査員が眺めていたがはたして何かわかったかな?セキュリティーチェックがやたら厳しくなっていた。ベルトをはずし靴を脱ぐと添乗員が行っていたが並んで列ではそれはなかった。
 アメリカ国内では「TSAロックでも鍵はかけないでね」というのが基本らしい。
          
 注意書きの裏面はスペイン語。英語・スペイン語の両併記が多いようだ。

 さてかなり出発まで時間がある。昼食は自前。ドラマによく出てくる容器に盛った中華かピザが価格的に手頃だったが量が多い。動かない機内で食べ過ぎたので、売店でツナサンドを買う。10ドル近い価格でちょっと高い気がする。ペットボトルの飲み物も3ドル以上と日本より高い。成田でも空港内は高めなので仕方がないか。初めての買い物なのでまだドルの感覚がつかめない。日付変更線を超えているので今食べているのが何の食事かわからなくなってきている。ツナサンドは夕食か?

 ソルトレイクシティ到着。ここでまた1時間時差が出た。バスでホテルへ。到着したのは23時を過ぎていた。

 
 初日はDouble Tree by Hilton Hotel SaltLake City Airport 
 
 泊まったのは多分このクラスの部屋  こんな感じの洗面台
 
 ここで翌朝に朝食をとる  

 今日はシャワーを浴びて寝るだけ。

 ところで滞在中の画像はほとんどネットからの引用。なぜ?それは最後に明らかになります。
                  


8月19日(土)
チャリスに移動
 ホテルで朝食をとり、比較的ゆっくり出発。
 今日はソルトレイクシティからアイダホ州のチャリスまでバスで移動する。
 朝方、モルモン教の寺院や教会を見学。

 昼食の弁当配給。今日は和食の弁当だ。しかしアメリカンサイズ。
 延々バスで移動する。実にキャンピングカーが多い。しかもトレーラーが多い。これだけ広い国土と道路事情なら別にトレーラーをひっぱても移動しても何も問題ない。やはり日本とは道路事情自体が根本的に異なるのだ。よく見かけるRVランドにおいてあるトレーラーの数も半端ではない。各家庭の庭先にごく普通にトレーラーが置いてある。やはりアメリカだ!!

 途中のトラックセンターでトイレ休憩。バスが2台やって来るとどこもトイレは列ができてしまう。
 飲み物とスナックを購入。

 ユタ州からアイダホ州に入り、途中でCrater of the Moonに寄る。割れ目噴火の跡のようだ。

 キャンピング客も多いが日陰がないだけに暑そうだ。もっとも夜は冷え込むだろうな。
 ビジターセンターでは日食グラスがまだあるようだ。センター前ではコロナド社の太陽望遠鏡2台を使って太陽を見せている。片方はセレストロン社の自動追尾経緯台を使っている。これは今回留守番しているAT-MACSと同じ製品のようだ。

 チャリス到着。今日明日の宿泊はThe Village Inn というモーテル。
 各部屋タイプが異なるようだ。今日は一人部屋で、ベットはキングサイズ?ほぼ真四角だ。
 夕食までまだ少し時間があるので近所のスーパーに買い出し。水が安い。つい3本買ってしまった。レモネードも安い。つい買ってしまった。ブドウも99セントと安い。つい買ってしまった。これだけ買っても10ドルしない。やはり空港やトラックセンターは価格が高いようだ。

   
モーテルのベッド  洗面台

   
 夕食は大人数のレストランが対応できないようなので部屋食になる。ステーキの肉が大きい。スモールをもらう。ポテト、サラダ、フルーツと山盛り。デザートのブラウニーケーキ。オレンジ1個とそれにビール・ジュース・水を1本ずつ。食べきれない。

 日没は遅い。20時を過ぎてもまだ太陽が出ている。

 明日は観測地の下見だ。



8月20日(日)
観測地に下見に行く
 朝になった。
 夜明けの時刻は東京の感覚よりも遅い。みんな日の出を見ている。涼しい。
 朝食。コーヒーもLサイズ。
 さすがにビールはないが、またジュースと水がでた。昨日買った水を消費しきれない。買わなくても済んだようだ。
 観測地に向かって出発。1時間もかからない。

 観測地に到着。観測地に泊まっているCグループに次いで観測地に二番目に近い。

 グーグルマップで見ると現地の様子がよくわかる。右下のメイ・ファミリー・ランチB&Bの左側の緑地が今回の観測場所。もちろん山の上に上がってもかまわない。左上の山頂には星条旗が立っている。

 上の画像の印付近が今回の観測地点。
   
 母屋の付近。正面にある建物も宿泊施設。
          
 山頂からの様子と思われる。アメリカの一般キャンパーは向こう側のキャンピングカーが駐車してある付近で楽しんでいた。ツアーの観測地は手前の芝生貸し切り。

 我々ツアーはふだんキャンプテントが張られる芝生サイトに陣取る。
               
 これがメインの観測地。

 猛者は山の上まで上がっていった。

 柵の脇に陣取る。やがて山から太陽が顔を出す。まだ他のグループは来ていない。
 とりあえず機材を組み立てる。意外に観測地の混雑はなさそうだ。

 下見を終えるとレッドフィッシュ湖に移動する。高原の観光地はバカンスで賑わっている。ここもバス2台が到着するとどこも列ができてしまう。そこら辺をうろうろする。動いているとけっこう暑くなる。ソフトクリームの買う。スモール3ドル。いろいろ種類がある。ミントを選択。画像がないのがさびしい。

 出発時間までロッジの日陰で休憩。
 途中で運転手が見つけたというTシャツの店に寄る。日本にもよくある道ばたの駐車スペースに車で店を出している出店だ。日食Tシャツ20ドル。デザインも悪くないので1枚買う。先ほどのレッドフィッシュ湖にも日食Tシャツが売店にあったようだ。売店の前のベンチにいながら見ていなかった。

 今日は早めに宿に戻ってきた。夕食までまだ時間がある。
 夕食はシチューだ。やはり大きいな。リンゴとまたビールとジュースと水を1本ずつ。大きなブラウニーケーキがついている。もうこれは食べられない。
 冷蔵庫に入れておいた水が凍ってしまった。洗面台に出して解凍する。

 荷物をまとめる。明日は朝食をとらずに移動だ。
                  



8月21日(月)
2minutes Paradise
 日食当日。
 明け方みんなもう外に出ている。東の空に明るい灯りが見える。勘違いして西の空に金星が移っていると思い込んでいたが調べてみたら金星だった。ずいぶん明るいな。

 チャリス出発。
 観測地のMay Family Ranch B & B に到着。まだ太陽は顔を出していない。
 まずは朝食。少し寒い。
 Mayファミリー総出で準備をしてくれている。

 太陽がだんだん高くなってくる。日食に時刻が近づいてくる。ピント合わせをするがマグニファイヤーを使って2倍に拡大するが厳しい。ライブビューで強拡大して確認したいところだ。調光レンズのめがねをケースに入れてサングラスに換える。皆既が始まったとき調光レンズのサングラスでは具合が悪い。やはり皆既日食には通常レンズのめがねが必要だ。

 第一接触。食が始まった。みんな皆既に賭けているので動きはあまりない。
    
 食が進んでいく。だんだん第二接触の時刻が近づく。食分が0.9を超えると周囲もだんだん慌ただしくなってくる。まわりの風景も少しずつ暗くなっていく。日射しが弱くなり寒さを感じるようになってきた。

 いよいよ皆既直前。レンズの前のフィルターを取り外す。まだ双眼鏡のフィルターは外すには早い。
 金星が見え始めている。360°カメラのthetaの動画撮影開始。

 第二接触直前から何枚か連写する。皆既だ。
   
 プログラムで9段階に露光時間を変えてセット撮影する。あとは観望に徹する。
            
 太陽の左下に写っているのはしし座のレグルス。

 あっという間に時間が過ぎていく。プロミネンスも赤くきれいに見えている。
               
 予定では第三接触前にセット撮影が終了するはずだったが、スタートが遅れたためまだ続いている。

 そして縁がだんだん明るくなり、太陽が姿を現した。第三接触。ダイヤモンドリングだ。あっという間の出来事だった。シャドーバンドなど見ている余裕はなかった。もう少し空を見上げていたかった。次の日食の撮影では完全自動化をねらい、肉眼で見上げる時間をもう少し長くとりたい。だんだん太陽は元の輝きを取り戻していった。

 昼食をとりみんなで集合写真を撮る。
 さて最大の目的を果たし、一路ソルトレイクシティに向かう。予想されていたとおり渋滞だ。ふだんならこんなに混むことがない道だ。

 夕食。ステーキにサラダバー。やはり団体が来るとどこも列ができてしまう。
 途中渋滞。結局星見ツアーは遅くなってキャンセルとなってしまった。

 ソルトレイクシティ到着は23:30ころになってしまった。明日も朝早い。

 今日の宿泊はSaltLake Plaza Hotel At Temple Square。
           
 確かに路面電車が走っていた。

 窓の外には確かに夜景が広がっていた(9階だったがもう少し位置は低いが)
          
 こんな部屋ね。明日はまた早い。いったい何時間滞在できるのか。






8月22日(火)
ゆっくり博物館見学
 仮眠に近い状態の滞在しかできなかったのが残念。
 ロサンゼルスに向けてソルトレイクシティ空港までバスで出発。
 空路ソルトレイクからLAへ。
 バスでファーマーズマーケットへ。さて昼食をどうするか。ぐるっと歩いて品定め。
         
 今日の昼食はラムケバブに決めた。

 336番のMoishe's Restaurantである。(Mediterranean)とある。地中海料理だ。ケバブとあるが串に刺して焼くのでシシケバブである。アメリカではこの串焼きが一般的なようだ。実にいろいろな種類がある。ラムケバブをチョイス。約16ドル。おばちゃんに料金を払い名前を言ってしばし待つ。注文が出てから焼くのでけっこう時間がかかる。
 できあがり。肉にサラダや後から調べてわかったのだがオルゴのピラフ、丸ごと焼いたトマトとピーマン、そしてナンのようなピタが2枚ついてくる。十分な量である。

 昼食が終わり、通りを渡りトレジャー・ジョーズにおみやげを買いに。数があって高温に耐え、価格が手ごろということでバーを2つ箱買いする。ついでにナッツの小袋入り。そしてここのトートバックを購入。
 
 午後からカリフォルニアサイエンスセンター見学。スペースシャトルエンデバーの実物がある。その名の通り、いろいろ体験もできる科学センターで子どもや学校の見学者も多い。ここは企画展以外は無料だ。

 時間もあるし、せっかく来たので隣にあるロサンゼルス自然史博物館に行ってみる。昔ながらの重厚な建物だ。
   
 恐竜の展示も充実しているようだが、恐竜に特化した福井県立恐竜博物館を見てしまうとやはり見劣りがしてしまう。それだけ展示物の購入と展示方法に福井県も力を入れていると言うことだ。
       
 カリフォルニアサイエンスセンター館にもう一度入ってミュージアムショップでTシャツを買う。カフェインの化学式が描かれたものがよかったがMサイズがなかった。仕方がないので別のデザインのものを買う。帰って着てみたらLでもよかったかもしれない。着る物はサイズの差が大きいので選択が難しい。さてそろそろ集合時間。

 今日が最後の夕食になる。本日の夕食は中華。やはり量が多く食べきれない。中華がアメリカサイズになった感じだ。
 レストランを出るころには少し暗くなり始めていた。

 久しぶりに早くホテルに着いた。最後の宿泊はロサンゼルス空港に近いFour Points by Sheraton Los Angeles Int'L Airport。しかしまた明日も出発は早めだ。明日の朝食は予定にはなかったランチボックスが出ることになった。

 部屋はこんな感じ。
          
 夜で暗かったので気がつかなかったが、この赤いイスの向こうにはプールがあったんだ。

 シャワーを浴びて21時台に就寝。





8月23日(水)
緊急事態発生
 朝方ホテルでランチボックスを受け取り、部屋で食べる。
 空港に向けてバスで出発。いよいよ帰国だ。

 空港でお世話になった現地の方々ともお別れ。
 セキュリティーチェックを受ける。靴も脱ぐし、ベルトもはずす。9.11以降ここまで厳しくなったようだ。
 搭乗までしばらく時間があるのでおみやげを買う。
 
 『eclipse』のガムがあった。これはいい。日本の暑さが気になるが『see's candies』を買う。

 さておみやげも買ったしあとは搭乗するだけ。
 しかしここで緊急事態発!何とデジカメを置き忘れた!
 トイレだ、見に行くが当然ながらない。添乗員に話しをするとポリスや届け物の場所を教えてくれた。その場所に行ってみたがポリス駐在場所がよくわからない。アメリカで忘れ物をしたら終わりだ。これで行動の記録がほとんどなくなってしまった。
  
 がっかりしながら搭乗を待つ。
       
 乗り込んであとは帰るだけ。
 今日は機内ではずっと昼間だ。西風に逆らって飛ぶので往路より少し時間がかかる。映画を3本見る。機内食2回。水分をとりすぎたのでトイレに行く回数がやたら多かった。

 機内で考えた。確かに空港でトイレに入った。しかしトイレの中は広く白っぽい入りだった。手に持っていたと思われるカメラはバックと同じ正面の棚に置いたはずだ。そう考えると置き忘れる可能性は低い。そしてそのあと向かいの売店に入った。そこで『eclipse』のガムと『see's candies』を買った。キャンディーの箱の上に置いたガムが滑り落ちた。それを拾うために箱をカウンターに置いた。両手で拾ったのでカメラもカウンターに置いた可能性が高い。しかもそのあとペットボトルの飲み物買うために1本取った。両手におみやげと飲み物を持ってレジに行った。あれ?カメラはどうした。そうまだ開いていないレジのカウンターに置き忘れた可能性が高いのである。トイレと思い込んでいたが、現地で気がついていれば搭乗ゲートの隣の売店だったので確認に行くことができたのに。ないことに気がついて時間もそれほどたっていなかっただけに気がつかなかったことが悔やまれる。

というわけで
 この日記の滞在中の画像はほとんどネットからの引用。もう少し画像を加えて上海日食の時と同じようにアメリカ日食顛末記を作成する予定です。                

                       
8月24日(木)
帰国
 日付け変更線を超えて8月24日になる。

 翌日成田到着。
 ここで荷物を受け取り、流れ解散。もう一度添乗員に先ほど思い出したことを話し問い合わせてもらうことにした。トイレと違い店先だし朝早めの搭乗者しか使わない場所だけに一途ののぞみをつないだ。

 帰国した成田はとにかく暑い。機外に一歩出た途端に日本の夏に一気に戻った。
 レンタルルーターを返却し、スーツケースを宅急便で送り家路につく。

 安い経路で帰ろう。